ベルサイユ製麺

HUNT/餌 ハント・エサのベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

HUNT/餌 ハント・エサ(2016年製作の映画)
3.5
殺るき満々なジャケ最高!額装したい!
タイトルは『ハント・エサ』ですよ。ハナエ モリみたいに発音すべきか⁈
三宅隆太さんがご紹介されていた作品ですぜ。

冒頭、夜中にバイクのボンクラ男に送られて帰宅した女の子。2人で話し込んでると、不意に何かの気配を感じ…🦁
また来やがってあのボンクラ、ぶん殴ってやろう!と外に出たパパ、急に何かに…🦁
「あなた、どうしたの?」と様子を見に出た奥さんが…🦁

おおおお、めっちゃくちゃ話が早い!しょっぱなからライオンくん!がおおー。
それから一夜明け、40キロ離れたゴルフ場でライオンくん早朝から大暴れ、グリーンをレッドに染めて大変に景気がいい!!
…んだけど、結構ゴア描写有りますね。食い散らかした痕跡にちょっと気が滅入ります。…血液汚れにはライオンのスーパーNANOXがオススメ!

対策に乗り出した警察は、獣医師であるリジー(主人公)に助言を求めたりするのだけど、パニック映画における警察は無能と同義語なので、全く事の深刻さがわかってない模様。街中の公園に閉じ込めてのアマチュアハンターの作戦は空回り。ほんとにほんとにほんとにほんとに開門だ〜♪公園から街に飛び出たライオンが大暴れ、新たな被害者続出の死屍RuiRuiなのである。

この作品、オランダ映画なんですが、個人的にはあんまり現代のオランダを舞台にした作品は観た記憶が無いのですよね。バーホーベンの短編で見たかな?くらいで。街並みがなんかテーマパークみたいな装飾とかされてて可愛いですなぁ。一般的にオランダといえばコーヒーショップとBPM200超えの凶暴なダンスミュージック、キックボクシングとかのイメージが強いので(偏り)、綺麗で明るい街並みはちょっと意外です。夜の路地のデリバリーバイクとライオンの全力追いかけっことか超フレッシュ!フレッシュミートてんこ盛りでございます!血飛沫飾り窓!
で、最後の手段!リジーの元彼である本物の凄腕ハンターのデラルーが登場するのですが…
彼の姿に絶句。片脚が無い…!でも大丈夫、高速移動出来る最新の車椅子に乗ってるから!!
…いや、なんか、…この映画ちょいちょいドギツいんですよ。激しく咳き込むホームレスとか、吃音の清掃員とか、子供がアレされたりとか…。オランダ独特なのかしら?軽くセンシティブ警報は出しておきたい。。

後半〜終盤にかけては、ライオンvsデラルーの死闘が描かれます。これは文句無く面白い!デラルーが高速移動するガンタンクとジムスナイパーの融合体みたいでかっこいいぜ!森の中ではハンター優勢で、建物に入ると形勢が逆転する展開とか良くできてます。

因みに、実は根本的な部分でライオンがそんなに怖く見えないという問題がありまして…。何しろ街中で急にライオンに出会う場面が想像出来ないので、今作のライオンの佇まいがリアルなのかサッパリ分からない。ちょっと実在感が薄いかなぁ…。
とは言え、ライオンの嫌な登場のさせ方、展開の作り方のアイディアが凄く豊富でとにかく飽きさせません。路面電車のシーンは一見の価値有りです!

欠点、というわけでは無いのですが、人によっては気になるかもしれない点がありまして、
…基本的に緊張感が無い。ライオンが出ないドラマパートがみんなヘラヘラしてて(カンナビス?)、中身の無い会話がダラダラ続いたりするので集中しにくいかもしれません。あと劇伴がテレビドラマみたいでカッコ悪い。総じて80年代っぽいセンスでして、その時代のパニック映画へのオマージュということなのなら、全く問題なし。私が悪うございました!
ゴア描写耐性がある方にはオススメです!猫派の人にも…?齧ってバラバラにしちゃっても、許してニャン♡