かず

記者たち~衝撃と畏怖の真実~のかずのレビュー・感想・評価

4.3
9.11当時のブッシュ政権が、どのようにイラク戦争を始めたのか、その無茶苦茶ぶりがわかる。
自分たちに都合の良い情報だけ抜き出して開戦に踏み切ったこと、当時の報道が政権の言うことに疑問を持たず、言う通りの情報を垂れ流していたこと、真実を報じた記者たちへのバッシング、イラク戦争のアメリカ人の犠牲者数とイラク人の犠牲者数が、数十万人以上であること、などなど、検証という意味で、大変有意義な作品。当時の官僚たちが、ウォーターゲートの二の舞にならないように、政権を止めるためリークする姿は本当に勇敢。

検証に留まらず、記者たちの私生活を、時におもしろく、時にシリアスに描いたのは、飽きずに観れてよかった。
編集長を演じた本作のロブ・ライナー監督の演技が上手くて驚いた。


「正しい事を行うのは大変。恥をかくかもしれない。でも誰かがやらなければ。正しかったことは、後に歴史が証明してくれる。」、「権力を疑え。監視を怠れば権力は暴走する。」
『バイス』のアダム・マッケイ監督のこれらの至言・金言は、ジャーナリズムの精神支柱となる素晴らしい言葉だと思う。
https://www.youtube.com/watch?v=OaZnOKtN70U


本作は、検証のための作品は必要だし、歴史的に意義のある映画だ。
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