りほこ

オーケストラ・クラスのりほこのレビュー・感想・評価

オーケストラ・クラス(2017年製作の映画)
3.7
図書館や映画館で大嫌いな、人の生の"息遣い" 人の息遣いは私に無関係だから。でも、
舞台に上がる直前
舞台袖では人とヴァイオリンの緊張が
生の息遣いが、音となって伝わる。
その息遣いは、この舞台袖に来るまでの
彼等の軌跡の証拠

"音楽は受動的なものである"
聞いたことはあるけど、映像化しているのは初めて観た。
子供達に初めて生の演奏を聴かせる場面。
親を説得するために、話をして生の音を聴かせるシーン。
音楽に聴き入る、表情が一人一人違くて
子どもでも険しく考え込むような表情をする子と、口が開きっぱなしになるような子、
涙する大人、楽しむ大人
それぞれが解釈して、異なる部分に魅了される。
一方で弾いている本人が1番映るのは、彼自身が1番楽しめなかったと話す荘厳な演奏会のシーン。
演奏者が楽しめない演奏は、観客の心にも響かないのか。

ヴァイオリニストになるためには、弾くことを楽しまなければいけない=play
そこには、演奏者の感情的な楽しさと
舞台への緊張感、人間の息遣いと
ヴァイオリン自体の息遣いが活きて聞こえる。

音楽の楽しみ方はそれぞれだし、正解なんてないけど
単純に楽しむこと、そこから見える、
完成に至るまでのプロセスや、人間の感情的なものが醍醐味なのかなぁとぼんやり


ピザを食べながら、優しい穏やかなジョークが行き交うファミレスや屋台は地味に印象的なような、そうじゃないような。他でみるのとはテンポが異なるのかな。
フランスは移民の国なんだなって思わせるシーンが多々。祖先に肌の違う人が混じってたり、違う文化のご飯やダンスを楽しめたり
きっと温かい国だ。
りほこ

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