わがまま娘

RBG 最強の85才のわがまま娘のレビュー・感想・評価

RBG 最強の85才(2018年製作の映画)
5.0
(大学の授業で見て感想も提出したからfilmarksの感想もレポートっぽくなってしまった…)

当時、そもそも女性の権利という概念自体が薄く、周りが全員敵のような環境で、先頭に立って戦い続けた彼女のバイタリティに感服!
母の教えとして、淑女であれ、と、自立せよ、の二つを挙げた淑女であれ、のうちに怒りなどの感情に動かされずにいるという内容があり、また、映画中の別のシーンでも、「議論に勝つには怒鳴らないこと。大声を出すと相手にされない。」というセリフがあった。これは個人の心がけとしては称賛されるべきだが、同時に、被差別側のマイノリティが声を上げた際には、その口調が怒りに満ちた、聞きにくいものであろうとも、特権を享けている者たちは、その内容に真摯に耳を傾ける必要がある。口調によって、マイノリティの訴えの内容に真摯に向き合わない、トーンポリシングを自分はしないよう意識的でありたい。

映画中に出てきた裁判で、親の介護費用の申請が認められなかった男性の事例が出てきた。これは、男性が外で働き、女性が家を守るという性的役割に基づいて法律が作られた結果、想定されていないケースに対応できなくなってしまった例だ。フェミニズムや、性的役割の不平等をなくそうとする動きは、女性にとってはもちろん、男性を含む社会の構成員全員にとってメリットであることを再認識した。

映画内でルースは、ハーバードロースクールで指名された際に間違えて答えると女性の名を汚すと思って学習に力を入れたり、女性だからだめだ、と言われることがないよう、人一倍努力した。努力してそれらを実現した、パワーのあるルースは素晴らしく、見習うべきで、またこの時代にはそうしなければならなかったのだろう。努力自体は素晴らしいが、理想的な将来では、女性が、男性の倍努力してやっと男性と同等の評価を得られるのではなく、女性も男性と同じ土俵で評価がされる世界になることを切望する。