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RBG 最強の85才のryodoのレビュー・感想・評価

RBG 最強の85才(2018年製作の映画)
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追悼。享年87歳。RBG は永遠に…。

[RBG 最強の85才]'18
ドキュメンタリー/伝記/ルース・ベイダー・ギンズバーグ


『淑女であれ、そして自立せよ』

─85歳で現役の最高裁判所判事としてアメリカで広く知られる女性ルース・ベイダー・ギンズバーグ(通称・RBG)に迫ったドキュメンタリー─

訃報
《アメリカの最高裁判事のルース・ベイダー・ギンズバーグ氏(87)が9月18日、すい臓がんの合併症で逝去》
 
フェリシティ・ジョーンズ主演のRBG伝記映画『ビリーブ』で彼女を知り、
素晴らしい功績とリベラルな姿勢に魅せられ、尊敬していたお方。
ガン闘病中というのは知ってたけど…訃報を知ってとても悲しい…。

追悼の意を込めて、
まだ観れていなかった本作を。


ドキュメンタリー映画ってあまり観ないけど、というかコレが初めてかもしれないけど、とにかく観て良かった。

彼女の功績や人生を
家族や友人、関係者のインタビューを通して見ていく感じ。

観ているうちに『ビリーブ』はしっかり忠実だったんだなぁと思った。
大学のエピソード、
伴侶マーティンとのエピソード、
弁護士としてのエピソード、
などなど…
彼女の前半生がいかに過酷でいかに革新的だったのかしっかり描かれていたけど、本作で答え合わせができた。

そして本作は、
最高裁判事となった後半生から現在までの道のりも観せてくれる。

インタビューにクリントン元大統領が出てきたのにビックリ。
大統領から任命され史上二人目の女性判事とした活躍した人生後半。
既に人生前半が濃すぎるのに。

リベラル派として、
堂々と反対意見を述べる姿勢はやはりカッコいい…若者にでさえ『RBG』と呼ばれて人気な理由がよく分かった。

また、オフの彼女も素敵。

真面目な彼女の性格とは真逆すぎるユニークな夫マーティンとの円満さ。
対立する判事でも
法廷を一歩でれば良き友人になったり、
オペラが大好きで
自ら出演しちゃったり、
おばあちゃんとして
お孫さんと仲良さげだったり、
85歳になっても
ジム通って腕立て伏せしたり…

可愛らしい一面も見させてもらった。

もし、
彼女が居なかったらアメリカの社会は大きく異なっていたはず。
今の時代
女性が社会に出て働けるのは、
ほとんどが彼女の努力の賜物だろう。

平等と自由を求めて戦い、
未来へ語った彼女こそ本物の『ヒーロー』に違いない。

そんな彼女が唯一、本来の職務から逸脱してまで批判したトランプ大統領。
そんなトランプは保守派の判事を送り込みリベラル派に圧をかけ、大統領選を前にした今、リベラル派のRBGが逝去。
これは保守派が優勢になる可能性が高まったことを意味する。彼女の後任がどうなるのか…保守寄りになってしまうのか…気になるところ。

最後に改めて、
ご冥福をお祈りいたします。
自宅で家族に囲まれて息を引き取ったそう。天国では最愛の夫マーティンと再会したのだろうか。どうか安らかに…。
R.I.P RBG


『私は自分の性別を理由にした、特別扱いなど求めません。兄弟たちに求めるのはただひとつ。私たちの首から皆さんのその足を下してください。それだけです』by Ruth Bader Ginsburg
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