great兄やん

魂のゆくえのgreat兄やんのレビュー・感想・評価

魂のゆくえ(2017年製作の映画)
3.9
【一言で言うと】
「裏切りの“信仰”」

[あらすじ]
ニューヨーク州北部にある小さな教会「ファースト・リフォームド」で牧師をしているトラーは、ミサに訪れたメアリーに環境活動家の夫マイケルについて相談したいと言われる。マイケルは地球の行く末を悲観し、妊娠中のメアリーの出産を止めようとしていた。トラーは、心の中では彼の考えに賛同しつつも、出産を受け入れるように説得する。そんな中トラーは、教会が環境汚染の元凶である大企業からの支援を受けていることを知る...。

今日で上映終了とのことなんで、滑り込みで観てきました。

信仰心とは、常に清らかさを求めなければならないのか...

とにかくイーサン・ホークの演技が途轍もなく素晴らしかったです。
彼の信仰する“対象物”が、既に穢れきった“不純物”であったら...
その中で彼の内に秘めた“慟哭”や“怒り”という信仰心からなる”感情“が、上手く体現されていと思う。

それにやはり観てて思うのは、トラー牧師があの『タクシードライバー』のトラヴィスと面影がどうも重なって見えるんですよね🤔
トラヴィスも腐れきった世の中にうんざりした挙句、あんな行動に起こした訳ですから...そう考えると、トラー牧師はトラヴィスに“なりかけた”人物なのでは...と、僕の中ではそう感じ取りました。

どう”なりかけた“ってのは、まぁお口にチャックという事で🤐

それにしてもアマンダ・セイフライドを久しぶりにスクリーンで観たような気がします😅
しかし...久しぶりに見てもやっぱ可愛いですな😍
『レ・ミゼラブル』で一目惚れして以来ずっと好きだったので...久しぶりにあんな可愛いお顔を拝めて心底嬉しいです!🥰

...まぁそんな腑抜けた面持ちをもぶっ飛ばしてくれるのがあのラストのシーンなんですけどね😏
もう軽く意味不明です。
今まで現実的なストーリーで突き進んでたのに何でこう飛躍しちゃうの!?( ゚д゚)ってくらいのぶっ飛び具合。
まぁそりゃあの“有刺鉄線”のとこなんかは、キリストが受けた拷問を体現してるって事は分かるのは分かるけど...ありゃ完全に観客に解釈を委ねてますね😓
でも嫌いではないです😌
色々な自分の解釈の仕方が持てるのでね...

とりあえず完全には分からないけど、監督が伝えたい事は何となく分かります。
神が世界を救ってくれるのか?
はたまた、神に頼らず自分で行動を起こすべきなのか?
メアリーがトラー牧師に覆いかぶさった時のように、
彼にもぼんやりとしか見えてなかった“神の怒り”がはっきりと、それに具現化されて見えたのであろう。
そんな原因を作った悪の元凶を断つべく、自身の身を滅ぼす行為に及ぶが...

彼は、純潔なる自殺志願者だ。

彼に病魔が刻々と迫るように、

地球にも、刻々と“病魔”が迫っている。

自らの“魂”を捧げるこの私を、

神は赦してくれるのであろうか?

“環境保護”という名のテロリズム。

自ら改革を起こす者が糾弾されるこの時代に、

一人でも多く、行動を起こす人が出てほしい。

未来に生きる君達が、地球を“延命”させる鍵なのだから...