ちろる

魂のゆくえのちろるのレビュー・感想・評価

魂のゆくえ(2017年製作の映画)
3.6
絶望もなければ希望もない
知恵はいつも二つの矛盾したものを与えて人を悩ませる。

環境問題と信仰

正しいとは一体何なのか?
神の御心、神の愛を信じ続けることがなんの解決となるのか?

地域の牧師として、マイケルの悩みを聞いてしまったことによって、それがその後の彼の価値観を大きく変化させ、思ってもなかった行動へと駆り立てる。

一人の人としての思想と、聖職者としての思想が分裂して、苦しんでいくトラー。
「病んでいく」という表現が軽々しいほどに、同じ表情のまま、壊れていくトラー演じるイーサン・ホークの演技がやばい。
彼がマイケルと出会った事にどんな神の意思があったのだろうか?

ラストはある意味なんじゃこりゃ?
の予想外すぎて笑ってしまった。
かなりぶっ飛んでます。
冷静な視点、静かに語られていたトラーの感情は後半まで日記に閉じ込められたまままだったが後半に向かい少しずつ剥き出しになっていく。
監督自身が感じているであろう宗教への「戸惑い」がそのままイーサン・ホークに乗り移り、モヤモヤのままに予想外のラストを迎えられたのは2人の役者の力量のお陰なのかもしれません。
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