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おとなの恋は、まわり道の東京キネマのレビュー・感想・評価

おとなの恋は、まわり道(2018年製作の映画)
4.0
なかなか素敵な大人の「BOY MEETS GIRL」物語。現代版ニール・サイモンと言ったところでしょうか。

いきなり男が女にキスをする。
が、ごめん、と突き放して言う。

“こういう前向きな行為に身を任せられない。何年振りとか考えると死にたくなるよ“

“よく分かるわ。長いこと人生は最悪だと思っていたから。だから私も混乱してる”
“プレッシャーもいい人生を目指すと大きすぎるしね”

“最後は何時かしら。。。愛情を持って異性に触れたのは。。。”

“愛情なしでは?”

“同じよ”

こんな会話を一度でもしてみたいもんですよ。でも、あり得っこないのも分ってるんですがね。しっかりシナリオ・ライターの術中にはまってます。単純なもんで。というより、最近ファルスがないからね。とても新鮮でした。

劇中のウィノナ・ライダーが誰かに似てる。でも、思い出せない。中盤になって気が付いた。そうだ、カルーセル麻紀だ。それじゃボーイ・ミーツ・ゲイじゃないかと考えたらツボにはまってしまった。おかしい。。。下品だなあとは思うけれど、そもそもドラマなんてのは直情的なものなのです。ファルス(笑劇)っていう言葉だって語源は「性器」。よく小さい子供が性器を人に見せてコロコロ笑ってるでしょ。それなんです。喜劇のスタートは、そんな上等なもんじゃないのです。それに、何で映画を見るのかと言えば「カタルシス」があるからです。そのカタルシスにしたって語源は「下痢」。下痢した後にすっきりするでしょ。それなのです。つまりね、コロコロ笑えるか、すっきりするか、だけでいいんですよ、映画って。。。
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