原題はThe Cured
意味は「回復者」
メイズウイルスという人を凶暴化させる感染症が流行し、世界は大混乱に陥った。程なくして、治療法が開発され、感染者の75%は「回復者(=the cured)」として社会生活に復帰を果たす。回復者は凶暴化したときの記憶を有しており、また感染者に襲われないという特性もあることから、回復者をにわかに信用できない人々がおり、回復者は差別的に扱われる。一方、治療の効果が見られない25%は施設に監禁される中、国は彼らを安楽死させようと動き始める。
非感染者、感染者、回復者の三つ巴に、国家の思惑が加わったリアルホラー映画。新型コロナウイルスの世界を経験してる私たちには実にリアルな世界。それも、私たちがこれから経験するであろう世界。いわゆるwith 感染症／after感染症の世界である。
ホラーシーンは、画角の外から突然襲ってくる的お決まりパターンばかりで面白みに欠けた。人間ドラマも回復者セナンの視点から物語が進むため、わかりやすい反面、考えたり想像したりする余地が全くなく、退屈に感じてしまった。
大好きな女優エレン・ペイジを久しぶりに拝めた。少女のイメージが強かったのだが、しっかり母親役が似合う女性に成長していた。
余談だが、英語的に言うと、邦題でthe curedのtheを取ってしまったのはよろしくない。このtheは人を表しており、またこの映画は感染症がテーマだが、人にフォーカスした映画なので、theのあるなしでは大きく印象が変わってきてしまう。
