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孤狼の血 LEVEL2のSWDのネタバレレビュー・内容・結末

孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

完成披露試写会で一足先に鑑賞。とんでもなく面白かった…!一貫して暴力と悪を描き続けてきた白石和彌監督の集大成!
前作からLEVEL200くらい上がってない?っていう圧倒的なエンタメ強度は勿論、鈴木亮平の「社会に出しちゃダメな人」としての説得力が凄すぎる。新たなヴィラン誕生の瞬間を目の当たりにした。

前作は割とダラっと見てしまった自分だけど、今作では悪に手を染めてしまった人間の後戻りできなさ、不可逆性と向き合っていて非常に好みな作り。
3年の月日を経て変わり果てたかのように見える松坂桃李の、ふとした瞬間に見せる笑顔にあの頃の面影を感じざるを得ない。そんな松坂桃李や村上虹郎らフレッシュな若手俳優が明らかに人の道を踏み外してしまう瞬間が堪らなく悲しい…。

体制側のベテラン俳優陣と反体制側の若手俳優陣の演技バトルとしても素晴らしい。
前作がバディモノとして優れていた点を振りにしたミスリードも秀逸。おっちゃんだけは信じてたのに…。
最初に襲われる女性役に筧美和子、上林の父親役に『岬の兄妹』の松浦祐也など、脇を固める人選も納得度が高い。

本当の悪とは?を問う脚本や、余韻を残したラストに同監督の『凶悪』を思い出すなど。
令和の今ヤクザ映画を撮るにあたり、最早暴対法の存在は避けては通れないといった感じだろうか。個人的にはもっとシリーズ化して続いて欲しい気持ちがあったけど難しそうで辛い。
白石和彌監督作は今後もマストで観る。
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