3年ぶりの続編公開。ちなみに物語も前作から3年後という設定。
前作の中心となったのが役所広司演じる大上刑事。飄々としつつも時にドスを利かせ、いい加減な面もチラつかせながら、実はバランス感覚に長けていたという一匹狼。
そんな大上とペアを組んでいた松坂桃李が演じる日岡刑事が今作の主人公。
今作に向けては飢えた狼の精悍さをイメージし、役作りとしてかなり体を絞ったとのこと。
さすがに年齢やキャリアを比較しちゃうと役所さんには敵わないかもしれませんが、でも大上のスピリットは十分に…Zippoライターとともに、継承されていたんじゃないでしょうか。
そんな桃李くんが 今回の作品で輝けたのも、敵役である上林・鈴木亮平の存在あってこそかな。
まぁ体もデカく その立ち居振る舞いが怖い。何より、上林が笑顔を見せるごとにドンドン怖さが増していくという。とんでもない狂気を秘めた…いや秘めてないね、漏れ出てたよね。
ストーリー展開については 非常にシンプルでわかりやすく、感情移入もしやすかったり、それとなく裏切られたり。
日本映画なのでカーチェイスの見せ場はそこそこに押さえつ。
その分 組織のメンツ、なにより男と男の情念に裏打ちされた行動など、まさに 見ていてのめり込んでいかざるを得ない物語になっていて。
2時間20分、滞りなく一気見ですよ。この辺りは脚本の素晴らしさが大きいでしょうね。
中心は松坂桃李と鈴木亮平ですが、ヤクザ映画として強面なベテランさんの見せ場もあるにはあるんだけど。
結果 次々に古株のみなさんが殺られていくという。特に、かたせ梨乃さんのそれはショックやったなぁ。あまりに唐突で。
あとは滝藤さんのブチ切れっぷりがたまらなくハマってて。サイコーだったり。
中村梅雀さんが 見事に警察に“爪痕を残す”ことに成功したり。後々考えたら宮崎美子さんがとんでもなく恐ろしく思えたり。
いろいろありながら、日岡も首の皮一枚残ってますし。
他にも まだ生き残ってる人いるんじゃなかったけ。
となるとシリーズ第3弾も期待しちゃうけど、そこは今作の興行収入にかかってくるのかな。
映画の歴史においては シリーズのカウントが上がるにつれ、クオリティ下がるというイメージはありますが。
今作は 確かに“LEVEL2”だったと言えるんじゃないでしょうか。
メッチャ怖かったけど、同時にワクワクも抑えきれない作品でした。
パールエンタープライズ（笑）
