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孤狼の血 LEVEL2のおふとんのレビュー・感想・評価

孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)
3.8
バイオレンス日本映画界の希望、白石和彌監督の最新作です。

前作「孤狼の血」のその後を描く。

今作の白眉は何と言っても凶悪なヤクザ上林を演じる鈴木亮平ですね。
鈴木亮平と言えば童顔で屈託の無い笑顔とムキムキの肉体のアンバランスさが魅力の俳優ですが、今作に関しては笑顔がめちゃくちゃ怖い。

しかも脳筋に見えてかなり計算高く主人公がいいように振り回されていたり、カタギに手を出したり、同じ組の幹部にも楯突いたりまさにやりたい放題。

今作の鈴木亮平は完全に狂人であり、もはやヤクザ映画ですらないのが面白い。
どちらかというとサイコスリラーとかそっちのジャンルで、ヤクザというより立ち振る舞いが完全にヴィランのそれ。
まさしく「ダークナイト」のジョーカーのような完璧な悪役でした。

対して、大上亡き後を継ぐ日岡は正直言うと役不足感が否めない…。もちろんこれはまだまだ未熟だということを描いているのだと思うが、ちょっとこの展開はいかがなものか…と思うくらい無能っぷりが際立っていて正直終盤は見ていて辛かった。
特にある人物が犠牲になってしまう下りは、そうなってしまうことは誰にでも予想できたはずなのにまさか何の対策もしてなかったとは!と思わず呆れてしまいました。

ただ、まあ確かにプロットは雑で刑事ものとしてもサスペンスとしても中途半端ではあるんですが、日岡と上林の狼通しの対決と、終盤に向かって立場とか目的とかどうでも良くなっていき闘うために闘うみたいな展開になっていくのはまぁ良かったです。
「殺し屋1」とかそんな感じのやつ。

と言うわけで超怖い鈴木亮平を見たい方にはお勧めの映画です。
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