タカ

孤狼の血 LEVEL2のタカのネタバレレビュー・内容・結末

孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

強すぎる狼はいずれ滅ぶ

古く加工された東映ロゴから
お馴染みの音楽に乗せるナレーションで振り返る前作の抗争
このオープニングシークエンスはやはり秀逸
否が応にもテンションが上がるというもの❗️
前作同様にギラッギラの乾いたエンタメに期待が膨らむ

「誰かが居らんようになったら、誰かが代わりをせにゃあいけん」
変貌を遂げた日岡の風体
そのギラついた姿にガミさんを思い起こさせる
徹しきれていない、どことなく背伸びをしている感じを漂わせるのはその年齢ならではのものかも
役所広司のようなもっと圧倒的な存在感が欲しいと思ってしまうのは酷かもしれない

「たいぎいんじゃぁ💢」
鈴木亮平が本当に恐ろしい😱
時々笑顔を見せるのにそれすらずっと怖いのは何で?
圧倒的な暴力と狂気に誰も歯向かえない"上林"という存在がまさに乗り移っていた
エンコ詰め、豚の糞、生首
前作で容赦なく見せてくれたいや〜な描写は今回も健在でむしろグレードアップしてるくらい
視神経までこだわるディティールとか👍
ピクッとなって「人間の生命力が〜」のくだりは狂いすぎている
その浮いてしまいそうなくらいのキャラをしっかり演じきるのが凄まじい
日本アカデミー賞受賞が濃厚な気がする

残飯もらいの這いつくばった人間
上林、チンタのバックボーンや葛藤が描かれる
前作と違ってけっこうウェットだなぁと思った
キャラクターの厚みが出るのは分かるんだけど、あれだけの描写を持ってくるのだからドライな攻防で十分ではと思う
そもそもチンタの存在自体がそういう展開にもっていきたいがためだけのキャラに見えるし、冒頭で登場した時点で何となく読めてしまう
カタギを守るためにカタギをスパイとして一番危険な目に合わせるのも矛盾していて嫌

わやくちゃのクライマックス
カタギしかも刑務官親族の殺人事件捜査を裏工作するというむちゃくちゃ
上林なら引っ掻き回してくれるだろうという信頼感はいったいどこから出た?
新聞記者にリークして身柄確保されて脱走して抗争の渦中に向かう?
前作は警察とヤクザの綱渡りのヒリヒリした駆け引きがどう転んでいくのかという面白さがあったのに、今回の最後はもはや警察でもヤクザでもない
ちょっと無理がありすぎてインパクト満点のわりには乗り切れなかったなぁ


最後に出会った孤狼
狼は滅ばずまだ生きている

「だからお前はダメなんじゃ、のう広大」
と激励しに来たのだろう

まだまだこれから…

「ようやったのう、ほめちゃるわ」
と言われるその日まで
タカ

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