あでゆ

孤狼の血 LEVEL2のあでゆのレビュー・感想・評価

孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)
3.6
◆Story
広島県警呉原東署刑事二課の日岡秀一は、マル暴の刑事・大上章吾に代わり、広島の裏社会を治めていた。しかし、上林組組長の上林成浩が刑務所から戻ったことをきっかけに、保たれていた秩序が乱れ始める。上林の存在と暴力団の抗争や警察組織の闇、さらにはマスコミのリークによって、日岡は追い詰められていく。

◆Infomation
柚月裕子による小説を『日本で一番悪い奴ら』などの白石和彌監督が映画化した続編で、前作から3年後の物語をオリジナルストーリーで描く犯罪ドラマ。前作で新人刑事を演じた松坂桃李や彼と対峙(たいじ)する暴力団組長役の鈴木亮平のほか、村上虹郎、西野七瀬、中村梅雀、吉田鋼太郎などが出演する。

◆Review
ヤクザ映画に「リアリティ」って何言っちゃってんだというのは自分でもよくわかるのだが、あまりにも荒唐無稽な展開に、終始自分のテンションをどこに置いておけばいいのかわからなくなった一本。
全体的なノリは前作よりもむしろ『日本で一番悪い奴ら』に近いヌけ方で、役所広司が退いたことで、前作の重苦しさやむせ返るような昭和の匂いはかなり褪せているように思えた。

上林は存在感もあるし、演技力も流石の代物だが、良くも悪くもやってることがただの『ダークナイト』になってしまっており、だったら『ダークナイト』観ればいいんじゃないかという出来になっているのも疑問。
ご丁寧にも、上林がヤクザの会合に突然現れ、「お前らは牙が抜かれすぎだろ」と言いながら、カネや権力に目もくれずに混乱と日岡との戦いだけを求める様は、完全に『ダークナイト』のパロディと化してしまっている。
極め付けは突然幹部を殺して、「ジャーン」の下まで再現してしまうのだから、もう観ていられない。
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