『時代は昭和じゃねぇんじゃ。今はチャカよりビジネスじゃ。』
2022年7本目
広島呉原を舞台にヤクザ組織の抗争をマル暴の視点から描いた『孤狼の血』の続編
【総評】
鈴木亮平の狂気じみた演技は見事だが、それ以外の部分の出来は普通かそれ以下
【良】
鈴木亮平の演技はお見事。上林(鈴木亮平)の惨殺シーンは目を覆いたくなるようなショックシーンである。松坂桃李の芸達者ぶりも見事。演技という面ではすべての役者が奮闘していたのでは。
【悪】
主人公でマル暴の日岡(松坂桃李)の行動がすべて裏目に出てしまっており、主人公然たる活躍が全くと言っていいほど出来ていないのは残念な点。また、狂人こと上林もサイコパス的な怖さはあれど、狡猾さやクレーバーさはほとんど感じられないため、極道映画のメインディッシュであるパワーゲーム的な面白さは皆無。上林の強烈なキャラクター性に引っ張られて、その他の登場人物が機能していない。良くも悪くも上林の凶行のみが作品の見所となってしまっている。終盤に差し掛かったタイミングで明らかになる事実が、日岡の奮闘ぶりも上林の魅力も目減りさせてしまっているのも大きなマイナスポイントだ。
【まとめ】
鈴木亮平の凶行っぷりを目撃するという面においては楽しい作品ではあったが、映画的な面白さは前作と比べるとやや後退したという印象。
以上