らくだ

search/サーチのらくだのレビュー・感想・評価

search/サーチ(2018年製作の映画)
4.0
最愛の母を亡くして以降どことなくギクシャクするようになってしまったデイビッドとマーゴットの親子。ある日行き先を告げず行方不明になってしまったマーゴットを、彼女のPCの痕跡から探そうとすると、次々に不審な事実が判明していく…という最先端のSNSサスペンスです

父親のデイビッドがマーゴットの真相に迫っていく過程や、作中で発生する出来事の描写が、行動する範囲は広いにもかかわらずリアルのシーンを一切介さず終始一貫してPCディスプレイの中で繰り広げられる物語、という構成がめちゃくちゃに尖ってて、派手さは全くないのにもかかわらず、ものすごく新鮮な映像体験でした。画面越しの顔しか映らないのですが、PCの操作(マウスカーソルやテキストボックスの逡巡)でボディランゲージのように感情を表すの、すごい。逆に言えば現代ってそれで過不足なく描写しきれるくらいネットメディアやSNSにどっぷり漬かってるのかもしれない…こわい
物語それ自体も、死角だらけの疑念やマーゴットの謎、そして明かされる真実が次々とテンポよく襲い掛かるサスペンスとして非常にスリリングで気が抜けず、それが制限された画面の中で描写されることでその途切れないドキドキ感がより一層際立っていました。そして後半、結末に向けてしっかり話が今までのパーツを使ってバタバタと畳まれていくのは気持ち良かった…結末についてはとても好きな終わり方だったので書きたいですが、ここはサスペンスという事もあり、伏しておきます…(観てね)



マーゴットを探すデイビッドのPC、デスクトップがファイルアイコンでぐちゃぐちゃに散らかっているのを、部屋がゴミで荒れるような描写として使うの、なんかすごい生々しくて大好き…そういうのもっとちょうだい…
らくだ

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