BeSi

search/サーチのBeSiのレビュー・感想・評価

search/サーチ(2018年製作の映画)
5.0
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PCで観たい映画堂々の第1位。ついに鑑賞しました〜!!以下モロネタバレ大絶賛レビュー!!

デイビッド・キムの娘が行方不明。
彼は娘が誰なのかを知るまで、娘がどこにいるのかを知ることが出来ない。

↑(これ海外ジャケのキャッチコピーなんですけど、めちゃくちゃセンス光ってね!?)


💻全編に渡って広がるPC画面の映像......?
ごめんなさいコレ嘘です。全編PC映像ってわけでも無いです。でもこれこそがこの映画の素晴らしい所なんですよ。WindowsやMacBookだけでなく、iPhoneやテレビ、監視カメラ...あらゆる画面がこの90分間に出てきます。一貫してPC画面を映し出すよりも没入感がある大きな理由と言えるでしょう。また、いかにこの映画がデジタル社会に生きる私たちに寄り添う形を成しているかが分かります。FaceTimeなどの通話ツール、Googleやなどの検索ツール、FacebookやYouTube、RedditにTumblr(この2つ出てきた時感動した)などの情報発信ツール......。SNSは、今を生きる私たちとは切っても切れない関係にあると言っても過言ではありません......。余談ですが、本編にスリープ画面まで入れてくるのは流石にスゴすぎると思いました。

💻暗示されているメッセージ性
言わずもがな、情報社会が著しく発達した現代では、様々な形でSNSの危険性が様々な世代に向けて伝えられています。そしてこの映画は、まさしく10~20代に向けて警告をしていると言えます。え......皆さん気づきました?劇中、何回もNASAとか宇宙人が存在するとか地球侵略とかいう文字が出てたの。結局、面白すぎて返却期限まで4、5回ほど観たんですが、最初1、2回観た時でさえ全く気付きませんでした。

本作がしている警告というのは、溢れかえった情報の中から常に見たい情報を自分が見たいように追いかけるのが人間の常である反面、見たい情報に囚われるが所以に、自分とは関係のないと思い込んでいる情報を必然的に視界からシャットアウトするのは、大きな弊害を生み出すということです。

情報社会の危険性や恐ろしさを、プロットの本筋に一切関わりを持たない構成展開をする形で観客に伝えるというあまりに革新的な妙技を、本作はやり遂げてしまったのです。

💻鳥肌必至の伏線の数々
ジャンルとしてはサスペンスなので、観客をあっと驚かせるような伏線は必須。本作でも、それら伏線は様々な場所に散りばめられています。父デイビッドの言葉、弟ピーターのTシャツ、消えた100ドルの行方、fish_n_Chips、嵐が起きた月曜日、ヴィック刑事関連の記事(コレ一番鳥肌立った)など沢山ありますが、僕が気づかなかったものをひとつ紹介したいと思います。

それは、マーゴットがライブ配信好きなポケモンの話について。マーゴットはユクシー、fish_n_chips及びロバートはカクレオンと答えています。実はこれにも深い意味が込められているんです。オーキド博士に聞いてみたところ、ユクシーは記憶を消す能力があると言います。母パムを亡くしたという深く悲しい過去の記憶を忘れたいという娘マーゴットの想いが伝わります。そして、カクレオンはカメレオンと同じく擬態能力を持っていると言います。まさしく、自分の本当の姿を見せることなく、fish_n_chipsとしてマーゴットと交流を続けていたロバートを投影していますよね。



いきなり終わりますが、本当に何回も見たくなる面白さで、90分という時間が惜しく感じるほどでした。また観ます......。

圧倒的な業が織り成す感動的で衝撃的なサスペンススリラー。1度は観るべき大傑作です。
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