深谷守

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search/サーチ(2018年製作の映画)
4.5
全編PC画面という手法のみが話題になっているようだが、この映画の本質はそこではなく、題材とストーリーがPC画面のみという必然を生んだという点にある。
登場する父娘はアジア系。最近のアジア人主人公の映画は中国資本であるがゆえのアジア人主人公であることが多いが、この作品はそうではなく、主人公がアメリカ社会で孤立しがちなアジア人であるということにちゃんとした意味がある。
細かく張り巡らされた伏線の数々も、最後にはきちんと回収される。話題の「カメラを止めるな」も伏線回収にかけてはなかなかだったが、この作品の方がより洗練された伏線回収であると感じた。
主人公がなかなかのPC使いであるのもいい。仕事ではPC上で会議をし、いざ娘の失踪となるとFaceTimeとMessageを同時使いし、ことの真実を突き止めていく。
これからは様々な機材を駆使して様々な映像表現が実現されていくだろうことを予見させる傑作だった。
深谷守

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