コマミー

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search/サーチ(2018年製作の映画)
4.0
【小さい画面の中で】

[デイ・ウォッチ][ナイン・ウォッチ]で知られる、[ティムール・ベクマンベトフ]がプロデューサーとして参加しているサスペンス。彼のプロデュース作品は、監督作でもそうだが、[グラフィック]へのこだわりが強い。

中でも、最近のプロデュース作では、[特定の画面で見せる作品]が増えてきている。

まず、[アポロ18]という作品だ。この作品が製作された当時、巷では[パラノーマル・アクティビティ]のようなモキュメンタリーが流行っていたため、[月版]のパラノーマル・アクティビティと言える。

その次[ハードコア]は、[主人公の視点]で物語が展開する作品になっている。役者の頭にカメラを付け、観客に[ゲームを操作している感覚]を味合わせてくれる。

そして、[サーチ]に一番近い作風である、[アンフレンデッド]は、[Facebook]に現れた[謎のアカウント]を通して、[メッセンジャー]に参加したグループが殺されていくというホラーだ。非常に似ている。

そして[サーチ]は、そのジャンルを[サスペンス]に移し、突如[失踪した娘]を[SNS]、[Google]などを活用して、捜すという物語だ。全編[PC画面]で展開される手法に感服したと同時に、この手法の[可能性]も感じた。
普通にフィルムを通して物語を表現をするよりも、遥かに[リアリティー]があるからだ。[アポロ18]や[アンフレンデッド]にも、実はこの手法が活用されていて、一番観客に[緊張感]を味あわせる事が出来るのが、このような[狭い空間]なのだ。

それをこの作品は、観客に体現させたのだ。

おそらく、映画の作り方はどんどん進化する。その進化の可能性は[無限]でありたいし、表現の幅も広がる。その一環として、ティムール・ベクマンベトフのこの挑戦が、映画の[可能性を広げる第一歩]である事を願いたい。

時代を映す[鏡]として…。
コマミー

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