カントク

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search/サーチ(2018年製作の映画)
4.3
1日ということで映画の日。
久しぶりの最新長編映画を仕事終わりに劇場鑑賞。


「全編パソコン画面で展開する映画」と触れ込み、一発B級ネタ感満載にとても心動かされ、冷やかし半分で鑑賞。見事にその第一印象をひっくり返されたことを始めに記しておく。

実際には何台かのパソコン、スマホ間での移動はするものの、
全て液晶画面越し。ちょっとズルいけどまぁ許せる範囲か。


まず初めに驚いたのが視線移動の巧さ!

けっこうな頻度でここぞというところでデジタルズームを巧みに使い分け、観客に見せたい場面を注視させている。

通常の映画では主人公だったり、第三者だったり、神の視点だったりでけっこうな頻度で目線移動することが定番、更に言えば画面上で自分が興味のある部分に無意識に視線が行くわけでですが、この映画では凹凸のない画面上で矢印カーソルがスイスイ動きます。
まぁ~これが自ずと目線が引き寄せられるわけなんですよ!

この手法をうまく使って本作はとても関心するくらい、観客の視線を操っている。


関心と言えば、SNS情報網にも心底驚いた。

それはもうネットが怖いと思っている人が見たら、益々触れずにいたいと思わせるくらいだ。個人情報が笑えるくらいザクザク掘り起されます。

しかもプロのハッカーとかではなく、娘が失踪した普通の父親の手によってというところがミソだ。パスワード画面で息詰まるかと思いきや、他のSNSサイトやメールサイトを巧みに行き来し、いとも簡単にパスワードリセットをし、娘の過去歴を暴いていく姿に驚愕した。

こういった手法は本当に現在ならではの捜索方法だと思う。
是非年頃のお子様がいる方はこの映画を見せて欲しい。パスワードかけて隠し通せると思ったら痛い目に合うぞ(無意味)だという事を知らしめていただきたいw

そんなわけで「巧みな視線移動」と「SNS上での個人情報の取り扱い」という点において勉強になったと同時に映画としてのスリルも味わうことができた、一石二鳥の映画「サーチ」!テレビじゃなく是非劇場での鑑賞を強くおすすめしたい!
カントク

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