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search/サーチのmahのレビュー・感想・評価

search/サーチ(2018年製作の映画)
4.6
ある日突然娘と連絡が取れず、家に帰ってこない。
娘の置いて行ったPCやSNSを使い、娘の居場所を必死に探す父を全編PC画面で表現した作品。


頭がいい人間が作ったんだろうな~!!と思えて気持ちがいい。
全編PC画面の作品は新鮮だとかそういった事ではなく、PC画面のみのはずなのに全身から伝わる緊迫感や父としての焦りや表現に面白みがあった。また、普段の自分ともリンクする。
ストーリーの組み立ても上手い。現代サスペンスと言ったところか。

PC1台で警察でも何でもない親が人を探したり、娘のオンライン上の知り合い何人もとコンタクトを取ることが可能という意味ではめちゃめちゃホラー。
いつも自分がSNSを利用したり仕事でPCを使用する状況とリンクする。
ツイッターのアカウント親に見られたら死ぬなあ・・・。

オフラインではわからない、レイヤーのようになった人間の中身が綺麗にはがれていく。カメラワークで感情を表現することはなく、たった一つの視点で、ただ父がPCを操作しているだけなのだ。
カーソルがOKとキャンセルを行ったり来たりするそれだけで感情が読み取れる。一度打った文章のニュアンスを変えてもう一度打ち直したり、記号を付けてみたり。その葛藤や迷いは、日常的に私たちが行っていることだからこそ理解ができるのだろう。
それをも計算して作っていると考えると恐ろしい。


メディアに持ち上げられすぎてる感は否めないが、間違いなく面白い。
自宅のPC等で観た方がリアリティはあるだろうが、劇場の大きい画面で観ると細かい部分までしっかり観れるのでお勧め。
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