全編がPCの画面や監視カメラの映像とかニュース風の映像などで作られていて、「新しい映像表現に先鞭をつけた」という意味ではチョー偉い映画だと思いましたね。
ただ肝心の中身はわりかし退屈という感じでまあ「ブレアウィッチプロジェクト」的なね、手法は斬新だけど中身は...という。
そらもう予告編からして「風呂敷の広げ方がヤベーな。こんなん絶対回収できないでしょ。」とは思ってましたけどね。
まず映像表現に縛りがあるわけですわ。普通に観てるとなんなら「いや別にそんな監視カメラおかしくね?」とか「別にそこをそういう映像風に撮る必要ある?」っていうストレスがあるんですよね。まあ話の内容と映像の作りが全然マッチしてないっていう。「全編通してこういう感じで撮りました!」って「手法」のために映像表現が奉仕してるので、まあ普通に画として退屈だし、だんだん「こんなん製作者サイドのエゴでしょ」って腹も立ってきますよ。んで、そうやってゴリ押ししてくる「手法」もまあぶっちゃけ出オチですよね。序盤こそ「メッセージを打とうとして...やめる」「ビックリマークつけるか悩んで...やめる」とかっていう表現は新しいなー、この手法ならではだなー、と感心はしますけど、じゃあそれが中盤以降に興味を惹くか?カタルシスを呼ぶ仕掛けになってるか?と言われると首を傾げざるを得ませんでしたかね。
あと、話の内容には触れにくい作品ではあるんですけど、サスペンスとしても出来はあんまし良くないんじゃないですかね。
基本的には序盤から中盤にかけてガーッと伏線をバラまくんですよね。観客からすると「コイツ変」「これも変」「話は進んでるけどこの話が解決してない」みたいな違和感がばら撒かれる。
で「これはスルーッとは回収出来んやろなあ...」って観てると「実は...これが〜...こうでした〜‼︎」「と、見せかけて〜...実は〜?」「からの〜?なんと...逆にぃ〜?」っていうのを延々と繰り返してるだけでね、後出しではないんで決定的にダメってわけではないんですけど、全然ハラハラ感はないですよ。
脚本のツイストのためだけにある「実は〜?」「からの〜?」「ところが〜?」っていうのを延々観せられるとやっぱり「はい、この展開もフェイクですよね。興味な...。」となりますわ。最後の着地でも説明の筋が通らない部分もありますしね...。
まあパソコンの画面とかで作られてる映画ですしね、少なくともデカいスクリーンとの食い合わせは悪かったですし、ソフトが出てからパソコンとかで見るのがオススメですね。YouTubeとかWindowsの時代感込みの作り込みとか素晴らしかったですね。
繰り返しますけど、アイデアは素晴らしいと思いますよ。わたしには合わなかった