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search/サーチ(2018年製作の映画)
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「search / サーチ」
ネットに残る娘の痕跡は、初めは情報の断片だ。バラバラに散らばるそれらを追うほどに事態は混迷を深めていく。それでも追求せずにいられないデビッドの心情が画面操作を通じて伝わってくるのは、一種の心理的なヴァーチャルリアリティだ。主体と同じ視点でストーリーの展開を内面から伴走していく体験には、単に手法的なものに留まらない新しさを感じた。
断片が繋がった時、「情報」が含んでいた人ひとり分の想いや歴史、心柄が奥行きを湛えて浮かび上がってくる。
作品の内包する、多岐に亘る問題が「ネット」の側にはないこともきちんと骨身に染みる仕様。
優しさも孤独も愚かさも酷薄さも人のもの。
ディスプレイはただそれを時々刻々と映し出しているだけ。
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