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search/サーチ(2018年製作の映画)
4.4
父と娘の物語
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 カチッ


「全編PC画面で展開する」という系統なら「ブラック・ハッカー」や「アンフレンデッド(こちらは未見)」が既にあったが、本作の宣伝で手法がやたらと取り上げられているのは、前述した二作が世間では「失敗作」扱いされているという事なのだろうか?
まあまだ二作品しかないのだから「斬新」の文言も間違いではないのかもしれないが…

「ブラック・ハッカー」の個人的な不満として「情報が整理され過ぎている」という点があったのだが、本作において整理整頓ぶりはもっと更新されている(単純にカットが割られているし。キャラクターや状況の説明の手際の良さは正にパソコン使いこなしてる「仕事デキる」感出てる。)
でもこちらはそれが良い方向に働いているのは、それらが登場人物の感情や心理を表現する目的のものだからだろう
カーソルの微妙な動き、ディスプレイ内での視線の流れ、一度書いたメッセージを消去するなどのこの手法特有の演出が、観客の主人公への「同期」を促している(「ブラック・ハッカー」は言わば「信頼できない語り手」に近い作りだったから求めているものに少しズレがあったかもしれない。)

見せ方こそ今っぽいが、映画で描かれる繋がりは古典的で普遍的な家族の関係であったのも良かった(主人公だけでなく…ね。)
パソコン及びインターネットは「好き嫌いは別にしてそこに当たり前に在るモノ」に最早なってしまっているのだから、感情表現のツールとして表情や言葉と同等に扱われて然るべきなのかもなー(今後役者がカーソルの動かし方も覚えなければいけない様な時代が来るのだろうか?)
僕も大分疎い方なので少し不安ではある(TikTokすら楽しみ方が理解できない。哀しい。)

ドラッグしてブラウザずらす「ひょっこりはん」演出が2回くらい出てきたが、すげぇドキドキした(用語合ってる?)
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