ゼロ

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search/サーチ(2018年製作の映画)
3.8
ストーリーの全てがパソコン上で展開される異色の作品。

最初から最後までパソコンの画面で物語が展開していく。パソコンに親しんでいるほど、なるほど…と思うところが多いかもしれない。現代のSNSをモチーフにしているので、リアルタイムで視聴しないと、この面白さが伝わらない部分はあります。

物語としては、デビッド・キムの妻・パメラが癌で亡くなってから、娘のマーゴットと距離ができてしまった。ある日、マーゴットから電話が鳴り、折り返すも返事がない。心配したデビッドは、ピアノ教室に連絡をすると半年前に辞めているという。では、娘はどこにいるのか?警察に連絡することになった。

パソコンの画面だけで物語は展開していきますが、インターネットにあるサービスを通じて、マーゴットを知っていくのは現代的です。父親が娘のことを知らなかった…というのはよくあることですが、現代では実情をインターネットで記録されているのは驚きと恐怖があります。

またSNSで友達が多くいても、数だけの友達だけで、実は仲良くないことがあります。本当は仲良くないけど、事件が発生したら、自分をよく見せるために親友と嘘をつき始めるのは現代の闇と言えます。

本作品が面白いのは、脚本が良いのがあります。警察と捜査を進めていく度に、事件は解決へと向かっていきますが、真実に辿り着く頃には、あっと驚くような展開が待っています。パソコン上の画面でしか物語が進行しないからこその謎があり、騙されてしまいます。

良くも悪くも映画ならではの演出というよりは、サウンドノベル「428 〜封鎖された渋谷で〜」みたいなゲームみたいな演出です。アイデア勝負もありますが、それだけに終わらないサスペンスがあったからこそ、最後まで飽きることなく楽しめたのだと思います。
ゼロ

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