凛太朗

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search/サーチ(2018年製作の映画)
4.1
映画の殆ど全編がPC上で成り立っている異色のサスペンス。
ある日突然行方不明なったアジア系の娘を、妻を亡くしたシングルファーザーがインターネットやSNSを駆使して捜索するというお話。

まずこれ、映画である必要あんのか?って疑問が湧いてきます。映画館で観てないのでなんとも言えませんけど、どデカイスクリーンじゃなくて、PCなりで観るべき作品なんじゃねーかと思いましたね。だってPCモニターの中で殆ど全てのお話が展開されてるんだもの。
そのお話が滅茶苦茶面白かったんですけどね。
涙脆いので前半から半泣きにされたりしつつ、同じような年頃の子を持つ父親としての共感や、逆に父子共にそれは違うんじゃねーか?って反感を覚えてイライラさせられたり。地味だけど感情移入させられるってことは、役者さんの演技が上手いってことなんでしょうね。

なんと言っても脚本が素晴らしく、終始飽きさせない上にハラハラドキドキ吃驚!って作りになってますよね。作品自体の作りが新時代的で斬新でも、脚本が斬新ってことはないと思うんで、新旧のやり方を融合って感じ。
更に単なるサスペンスで止まることなく、現代社会特有の利便性と同時に危険性であったりの問題がしっかりと提示されています。
個人間での管理社会/監視社会になってきているということと、テクノロジーが進化したが故に希薄になる人間関係。しかし、進化しているが故に寂しさを埋める術をPCやスマホの中に求めたり、思い出がそこに保存されていたり。
事件を引き起こすのもテクノロジーだけど、解決するのもテクノロジー。でも一番大事なのは人間であり愛情。

ただね、SNSなどに自己の深い部分を幾ら投影してみても、返ってくるのはその殆どが薄っぺらな反応やということは間違いないんじゃないかと思います。全てとは言いませんけどね。
娘の同級生達が娘のことをネット上で思い遣ってるような薄ら寒い描写にはゾッとした。