方眼

真実の方眼のレビュー・感想・評価

真実(2019年製作の映画)
4.0
前半会話劇いかにもフランス映画。嘘と現実、過去が少しづつ明かされる中盤から是枝作品のリズム。子供たち、料理、パリの夜。「ソファを汚さないで」が2回。緊張が見える人間関係だが、周到に用意された会話と小道具の伏線で、一気に緩和へと畳み掛ける。映画という虚構でしか、他人とコミュニケーションがとれない人たち。これは真実か、と聞かれたビノシュの女優顔。ワインを飲んでしまうホーク。ドヌーブの早世した姉にも思いをはせる。これもまた死んでしまった誰かを巡る物語。「歩いても歩いても」に一番近しい印象。高い目標を設定し、世界レベルに挑戦し始めた監督、映画とは何かを一つ上の周回で考えている。
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