nero

GODZILLA 星を喰う者のneroのレビュー・感想・評価

GODZILLA 星を喰う者(2018年製作の映画)
2.0
黄金のフラクタルパターンが画面全面を埋め尽くすオープニングアニメーションは見ごたえがあった。3部作の最後とあって期待したのだが、内容は今ひとつだったなあ。

ギドラという特異点の向う側にあるのはディラックの海か? 必然としての滅亡の象徴=究極の虚無としてのギドラって設定は分からんでもないが、対する究極の存在としてのゴジラと激突に至る意味がまったく説得力不足。”存在を侵食する虚無”という根源的恐怖感をちゃんと映像化出来ていれば、と思う。生命の象徴らしいモスラの扱いも、中途半端かつ抽象的すぎて何をしたかったんだかいまひとつ見えてこない。

意味存在としてのゴジラおよび怪獣を描こうという、虚淵玄らしいハードSFへの方向性だけは感じられたが、映像として、物語として定着することは出来なかったと言うべきか。少々観念的説明的になりすぎで、CGキャラクターのアップばかりというのでは映像としての魅力も薄い。アニメーション映像として驚かされるような表現も特になかったが、全身に響く低周波の迫力は映画館ならではだった。あの重低音だけは「2001年」並み。

神話的構造に収斂させようとしたのだろうが、残念ながらシリーズとしての本作は支離滅裂という印象だ。映画としてのまとまりでは2部が一番マシだったかな。3本続けて観てみたら印象変わるだろうか。
nero

nero