円柱野郎

GODZILLA 星を喰う者の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

GODZILLA 星を喰う者(2018年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

「ゴジラ」シリーズの32作目。
ハルオの選択によってアース・ゴジラを倒せなかったことによって表面化する人類とビルサルドの亀裂。
そして神官メトフィエスの真の目的が明らかになっていくアニメシリーズ三部作の最終話。

考え方の異なる3種族、ビルサルドについては前作でほぼ語り終えたので、本作はエクシフ側の目的が話の中心になっていく。
ギドラを呼び出すには信心がないとダメという事なんだとしても、あとから考えてみれば、エクシフはこうもお膳立てをするために時間をかけて…ずいぶん回りくどいことをしている感じがしなくもないが…。
まあそれを言うと始まらないのか。

結局本作におけるゴジラとは何かという事にしてもハッキリはしない。
一つの大きな生態系の中で増長した人間が呼び起こしてしまったものではなく、実は人間自体が怪獣を呼び起こすための自然が作り出したシステムなのではないかという示唆など、興味深い部分はあったかな。
とはいえ、そこはあんまり深入りせずに結局エクシフの目的を阻むかどうかで話が終始するし、やっぱりこのシリーズが怪獣映画を志向しているのではなくて、SFの中に怪獣を置いているだけのままになってしまった感じがする。
個人的にはそのへんが物足りない。

このシリーズにおいては、究極的に言えば怪獣がゴジラである必要も無いわけで、何となくモスラやキングギドラ的な存在を垣間見せてもそれ自体を描きたいように見えないのも、なんだか違う気がしてしまうところなんだよね。
怪獣を使って新しいことを描こうと模索している感じは分かるんだけど、ありきたりなSF観との融合は果たし切れていなかったかなあ。
物語を進めるにしても、とにかくセリフで言ってしまうのもあまり好みではない。
これはこのシリーズでは結局ずっとそうだったので、そういう演出方針だと言ってしまえばそうなのかもしれないけど…。

というわけで結局最後まで俺は乗り切れないままだった気がします。
ひとつだけ、虚淵脚本らしい感じで良かったかなと思うところはあった。
最後の最後だけど、エンドロールが始まり事態も落ち着くところに落ち着き、今回は割と“白淵”なエンディングだったな…と見せかけておいて、エピローグで主人公が人類の業をすべて背負ってゴジラへ特攻したところ。
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