柏エシディシ

わがチーム、墜落事故からの復活の柏エシディシのレビュー・感想・評価

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あの日、あのニュースが耳に飛び込んできた時と同じ様に、冷静な気持ちでは鑑賞出来なかった。
(だから、スコアはつけられない)
映画と同じくらいフットボールのある生活、人生が大切な自分の様な人間、世界中のフットボールファンが、同じ気持ちだと思う。誰しもがこれが自分の愛するクラブだったら、と思わずにはいられなかっただろう。

開催中のワールドカップでも度々実感することだけれど、フットボールの素晴らしさは目の前のピッチが世界中に繋がっているという事。日常の地続きに世界が広がってると感じられる事。極東の島国にいながら、地球の反対側の南半球の人々や北欧のバイキングの末裔たち、アラブ民族の人たちと同じ喜びや痛みを感じる事が出来るという事。フットボールそのものの面白さ、楽しさ以上にフットボールを媒介にして、考えたり、勉強させられたりする事の何と多い事だろう。

世界のあまりの大きさに無力さを感じない時はないし、巨大な悲劇を前に何の助けにもなれない非力さを思わない事はないけれど、そもそも「共感」というその一歩がなければ、それは本当の意味での空虚だと思うし、そうではありたくない。

映画自体も単純な感動物語に陥る事なく、事実をドキュメントしていて好感を持てた。この「ストーリー」に終わりはない。シャペの物語は続いていく。いつしかその物語が、僕たちの物語と交錯する時が来るかもしれない。フットボールが在る限り、その可能性も無限に在る。いつかその時まで。Forca Chape!!
柏エシディシ

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