想像以上の大傑作！ずっとヤバいっていう噂だけは聞いてて気になってたのになかなか見るタイミング無かったんだけど、これはもっと早く見るべきだった。
まず町田くんがとにかく純粋で愛おしくて魅力的なキャラクターだった。裏なんて一切なく、まっすぐに善意を振り撒き、｢悪意に満ちた｣社会のまさに映し鏡のような、存在自体が寓話チックな人。町田くんのこのキャラだけでもこの映画｢勝ち｣です(？)
町田くん以外のキャラは問題を抱えた人ばかりで、社会に蔓延る問題が影を落としてくるんだけど、あくまで縦軸は町田くんと猪原さんの恋。なので考えさせられる瞬間もあるんだけど説教臭さも暗さも全くなく、むしろ見終わったあとはとっても爽やかな気分になれた。
なかなか噛み合わない不器用な2人だけど、お互いに影響し合い成長していくことで、その歯車が少しずつ噛み合うように心が通じ合っていく爽快感には釘付け。演じた俳優2人のケミストリーも新人ながら見事。
町田くんの現実味の薄いキャラ設定や、賛否の分かれるラスト(僕は好きだけど)によって、この映画はあくまでファンタジーであり、まさに｢町田くんの世界｣であることが示されていると思ったけれど、ひとりひとりが少しだけ素直な気持ちになれば、ファンタジーも現実になると信じたいものです。
あと、金曜ロードショーで定期的にこれ放送すれば日本社会は少しずつ健康になっていくんじゃねえかっていうのはさすがに過大評価だとしても、金曜にこれ見たらまあ良い気持ちで週末迎えられそう。
