最後の風船のシーン、もうこれぞ石井裕也っていうか、なんだろう、やりようによってはすごく荒唐無稽で白けてしまいそうなのに全くそうならないのは、町田くんと猪原さん、ふたりを見守る友人や家族、そして何より私たち観客が心から願い思う「こうであってほしい」を完璧に形にしているからだと思う。強い感情の前では理屈とか整合性とかは吹っ飛ぶんだよ。あーほんと良かった。どんな映画も、観た時の感情を色んな一言で表すことが出来ると思うのだけれど（楽しいとか笑えるとか泣けるとか切ないとか怖いとかワクワクするとか)、石井監督の作品は全部「愛おしい」だなあ。登場人物みんな、もう超脇役でも悪役でもまとめて抱きしめたくなる。細かいことはあとで原作やパンフをじっくり読んだあと追記として書きます。
