別冊マーガレットのコミック作品を『舟を編む』石井裕也監督が実写化。
ファンタジー(コメディ)映画だと思って観てください。
(特に終盤の演出には賛否両論あるかも)
リアリティ:ファンタジー = 1:9
一真に、”奇跡”を描いた映画だから好き。
足も早くないし、勉強もまるでダメだけど、全人類を家族だと思っている、町田くん。
出会う人誰でも平等に優しくするから、誰か一人を愛する「恋愛」というのがわからない。
町田くんの存在こそ、ファンタジーなのですが、それでも町田くんの存在を簡単に否定できないんですよね。。否定したくないというか。
全員に平等に優しさを与えることはできなくとも、きっと目の前のいる人に優しくすることはできるって、そんな力強いメッセージも感じます。
石井監督の"家族"の描き方嫌いじゃないです。
町田くんがメガネを通して見る世界と他の人たちが見る世界は違います。きっと、いろんな経験を重ねるにつれて、メガネが曇って世界がどよんとしたり、土砂降りの雨だったり、、、、
この人、自分のこと好きなのかなとか、目の前のあの人に親切なことしておせっかいだと思われないかとか、人に対してどう思われるかなんてわからないから、飛び込んで見る。そうしないとずっとわからないままだから。
好きな人のために、必死になってもいいじゃない?
偽善だって思われたっていいじゃない?
がむしゃらに生きても、いいじゃない?
悪意に満ちたこの世界。
わからないことだらけだけど、この世界も捨てたもんじゃないなって思える、素敵な映画です。
町田くんの友人役の西野くん(太賀)、めっちゃ好き。
猪原さんの恋しちゃっている感じがすごいかわいかったです。