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町田くんの世界のsomaddesignのレビュー・感想・評価

町田くんの世界(2019年製作の映画)
3.5
実体を持った町田くんがこんなにヤベエ奴だったとは💧
満足感高い★3つ。

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高校生・町田くんは勉強も運動も苦手だが、人間を愛し、また周囲の人間からも愛される存在。困った人を見逃さず、接した人々の心を癒し、世界を変えてしまう不思議な力をもつ。しかし、そんな彼の前に現れた女の子・猪原さんは、これまでの人々とは違っていた。初めてのことに戸惑い、自分でも「わからない感情」が胸に渦巻く町田くんだったが、「わからないことから目を背けてはいけない」という父親の言葉を胸に、「わからない」の答えを求めていく。

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原作ファン。
なんとなく想像できてたけど、原作だと「町田くん」という存在があまりにも尊すぎて、思春期の性欲とか人としての執着を全然感じさせない。現実にこんな神対応な人間いるわけねー!と思うけど、一人いた!キアヌ・リーブス!元「リトル・ブッダ」だけあって、善行エピソードには枚挙に遑がない。仏対応の数々は『キアヌ・リーブス いい人』とかで検索すると一杯出る。


無益な事だわかっていても、どうしても原作イメージを被せてしまう。自分の思う町田くんは、もっと華奢でボンヤリした無表情の美少年。今作だと腕も胸も筋肉しっかりついてて、男性ホルモンムンムンな青年に見えちゃった。(これはこれで面白かったんだけど)
運動音痴・勉強苦手だけじゃなく行間を読んだり言葉のあやを理解するのも苦手っぽい。マンガのキャラならともかく実体のある人物になると視野狭窄な善ストーカーぽくて、なかなかの狂人に見えてきて楽しい。(正論おにいさん調でちょっと怖くもある)


主人公含めて、誰一人高校生に見えない。っていうか、ほとんどアラサーなの知られてる人達で固めてて違和感しかない。じゃあ違和感あってダメかっちゅーと、前田敦子演じるサカエさんを筆頭に、面白味のほとんどを町田くん以外が担ってて、超豪華な学園コントみたくて楽しかった!おかげでクライマックスの無茶苦茶な展開も、ツッコむの野暮っていうか、それを言っちゃあおしまいか……とググっと飲み込めた。

すごく狭い世界の小さなスケールの話なので、何度も同じ舞台になる。何より映画作りのお財布に優しい舞台立てだけど、同じ舞台の上で徐々に登場人物たちの関係が変化してくのが楽しかった。

町田くんを演じた細田佳央太も超人的なキャラにどうにか血を通わせようと苦心が見てとれて楽しかったし、ヒロインで町田くんに翻弄される役の関水渚の体当たりで瑞々しい感じもまた美しかった!
W主役の二人の頑張りもさることながら、豪華脇役陣のノビノビとしたノープレッシャーな佇まいが素晴らしかった!(悪くとれば好き勝手だけど)
昨今、隙あらばS○Xばかりしてる役の池松壮亮の、ストーリーテラーとしての役所とアドリブの豊富さが見られるし、多分すごくコメディが好きなんだろうなってのも良かった。
あとMVPは前田敦子。彼女のシーンは全部楽しかった!

期待したものとは違ったけど、満足できる面白さ。
映画館で見る価値があったか疑問は残るものの、覚悟してたほど悪い出来じゃなくて原作ファンとしてひと安心。
映画じゃなくて、深夜30分ずつのテレビシリーズで見たかった。



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