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ザ・ゴールドフィンチのSPNminacoのレビュー・感想・評価

ザ・ゴールドフィンチ(2019年製作の映画)
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受難が続くメガネ男子テオの流浪する魂の旅。美術館、ゴシキヒワの絵、骨董屋…文化的な要素を散りばめて思わせぶりに謎めいたムードを醸すんだけど、断片的すぎて展開がまどろっこしい。キャラクターとその関係は平面的だしトーンも平坦で、テオの主観モノローグだけを手掛かりに物語の全体像がなかなか見えない。
というか、やっと見えたところで、ああそういうことだったんだとしか。何せ、そこまでにテオの運命を狂わせ続けた肝心の絵の存在感が薄かったもんで、終盤急にまとめられた感じ。むしろニコール・キッドマンの微笑みが邪悪そうで不穏な印象が強かった。
思い出すのは、原作小説を陳腐な解釈で映画化した『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』だ。これの原作は読んでないけど、同じような種類のガッカリ映画化なのかも…
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