歌代

劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~の歌代のレビュー・感想・評価

3.5
物理的な距離で心の距離を表現した演出、演奏そのものよりも人と人との関係からラストの演奏に帰結していくドラマが実にこの作品らしいと思いました。
ただ、テレビアニメ2期の宝島のシーンや『リズと青い鳥』のような、ドラマが演奏によって語りきられてしまう凄みは正直感じられなかったのが残念。

しかし、先輩となり後輩ができることによる立場の変化や、じわじわと迫る将来、やっていることに意味を見出さなければいけないのではないかという葛藤、耳が痛くなるほどの正論といった、総じて青春の痛みの表現はやはりさすがとしか言いようのない出来でした。

主人公、黄前久美子ちゃんが本当に好きです。
ぼんやりとしつつ葛藤を抱えてるあの感じを表現しきったリアリティラインの高い演技はちょっと他のキャラクターと比べてもずば抜けて解像度が高い。
その解像度の描き分けも見事なんだよなあこの作品、と改めて思いました。
歌代

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