翔

劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~の翔のレビュー・感想・評価

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2019-42

 久美子達は昇級し2年時の大会終了までが、新入生のエピソードを中心に描かれる。『リズと青い鳥』と同じ時間軸での出来事。

 技術はあるが居残り練習はしない新入生と、技術は劣るが先輩部員との距離も近しく居残り練習にも熱心な新入生。「そのどちらが部活を頑張っているように見えるか?」
 先輩部員より演奏が上手なのに、人間関係を乱さないためにあえて選抜メンバーの枠を譲ろうとする新入生。
 頑張っても良い結果が残せるとは限らない。じゃあ頑張るって何?

 テレビシリーズでは2期に渡って描いたのと同じ時間を映画一作でまとめているのに、急ぎ足であるようには全く感じなかった。それどころかいくつもの共感したり感心したり自分の経験を思い出したり、どのエピソードも鮮やかに心に残った。
 キャラクターに感情移入して物語を楽しむと共に、アニメでありながら自分の現実にも広がりを感じる作品だった。きっともっと本気で部活や何かに取り組んでいた学生時代の経験がある人は、更に自分を揺さぶられる体験が出来るのだろう。
翔