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レイチェル: 黒人と名乗った女性のシネマラブのレビュー・感想・評価

5.0
Netflixでおすすめに上がってきて以来ずっと気になってました。
日本人の母とヨーロッパの父を持ち、まだ東京にも混血なんてほとんど居なかった時代にいじめを経験したので、差別は人一倍興味あるテーマでした。

大学時代の黒人の人種差別について学びましたので、平均的な日本人より知識、関心はありますが、アフリカ系アメリカ人の気持ちを100%理解するのは無理だと常々思っていました。

私自身、外資系で非常に傲慢なアングロサクソンのエクスパットをたくさん見てきて、白人に対する反感も育ち、自分は(血にはありますが)白人ではないという認識はずっとありました。
国籍は日本人、価値観は西洋的なところもある、しかし人種はアジアンというのが自分のアイデンティティでしたので、レイチェルの言う"トランスレーシャル"もわからなくはないですが、私の場合日本人の血はありますし、彼女とは違うでしょう。

白人は黒人に見た目を近づけられるけれど、逆は出来ない。
レイチェル、白人のあなたに何がわかるの?と言う黒人の反発もうなづけます。
比較は間違っているかもしれませんが、
確かにトランスセクシャルの元男性が分かったかのように女性の経験する性差別について語ったら怒りを覚えるかもしれません。

非常に難しい問題ですが、人種も自分がdefineしていいと言うレイチェルの主張は新鮮で色々考えさせられました、


ただ息子が晒される問題への認識が低すぎるのと、彼女がなぜ黒人になりたかったかの描写に説得力がなかったです。

私のように混血だったり、海外に住んだ経験がなければ、元々単一民族の日本人には分かりにくい問題でしょう。

でもこれをテーマに語りたくなりました。
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