風来坊

脱出の風来坊のレビュー・感想・評価

脱出(2017年製作の映画)
4.0
凶悪犯罪組織の幹部が逮捕され刑務所へ護送される。幹部に犯罪組織の悪事を証言されては困る組織のボスはあの手この手で幹部を始末しようと計画するが護送を担当した警察官達がたち塞がる。カンボジア製のアクション映画。

カンボジアの格闘技ボッカタオをフューチャーしたアクション。設定や雰囲気はどことなくインドネシア映画「レイド」に似ています。
対峙する悪党は女ボス率いる美女を中心とした凶悪犯罪組織という事ですが、どの人もオケバであまりハッとする様な美女はいないので色仕掛けに説得力は皆無。

格闘アクションに主眼を置いてるだけあって演者の誰しもが格闘の動きがキレキレ。紅一点の女性の動きが凄かった。すこぶる美人ではないけど愛嬌があって良い。NGシーンでも愛嬌ある姿を見せています。
長髪髭が他がキレキレなので比べると若干力量が落ちて見えてしまいますがまあ許容範囲。話の中でもそういう立ち位置みたいですし演出かも知れない。

格闘アクションのカメラワークも荒々しくパワフルで迫力がありました。
殴られて意識朦朧の敵の視点で主人公達を見るという演出は臨場感があって良かった。狭い空間での多勢相手の乱闘も迫力抜群。
当然ハードな描写もあるので苦手な方は注意が必要と思います。

ボッカタオを売りにしてるとはいえ、格闘術に詳しくない私はどれがボッカタオなのかよく分からないのが難点。蹴り技主体なのかなと思いますが、インドネシアのシラットに比べると目に見えた特徴が感じられないのでイマイチよく分からないです。

緊張感の中にも軽い笑いもあって箸休め的で面白い。警官のリーダー役の俳優さんが故今井雅之さんに若干似ていて個人的にツボでした(笑)
女ボスがわざわざ登場も漫画的な展開で都合よくて笑う。どっしり構えていればいいのに(笑)

設定もお話もよくある展開ですし消化不良な展開も気になりますが、アクションシーンはド迫力でアクション好きには堪らないです。楽しそうなエンディングのNGシーンも現場の熱が伝わって来て良かった。
アクションしか残らない作品ですが、アクション大好きな私としては楽しめた作品でした。

まとめの一言
「生きとったんかワレぇ!」
風来坊

風来坊