本気だしてよ！オカルトなし、グチャドロなし、シリーズの上澄みすくって薄めた映画。
『3』から7年越しの新作。さすがにジョーンズもお歳なので心機一転、新たなキャストでMIBを復活させようということなんだが...これはソーとヴァルキリーだろ！
正直言うと、ストーリーはイマイチ。ドラマと展開は予想できてしまうほどで内容もそこそこ。盛り上がりも盛り下がりもない。監督も変わったので新しいことをやって面白くする事もできたはずなのにやらなかったのは非常に残念。MIB自体の設定は問題なく受け継がれているが、2019年にもなると90年代の雰囲気も無くなってしまって世界観はどうもパッとしない。今でこそわかるがクラシックなNYの街並みと未来ガジェットのミスマッチが堪らなくカッコ良かったんだな～と思う。イギリスに来てしまった事でどうも“MIB”というより“MI6”。アメリカでMIBが創設されたという設定も改変？されてしまっていて、持ち味を殺してしまっている。リーアム・ニーソンやレベッカ・ファーガソンをキャステイングしてくるあたり、なんだかスパイ映画を目指してたんだなという印象。
クリヘム演じるエージェントHとテッサ演じるMのコンビはどうかというと、少し魅力不足。脳筋楽天家のHと探究論理派のMというポンコツ先輩とインテリ後輩のバディというのはどこまでも面白くできそうだが今回は描ききれていなかったかな。『マイティ・ソー/ラグナロク』『ゴーストバスターズ』の時のギャグセンスが生かされ無かったのが結構意外。クリヘムはもっとマッチョバカになっても良かったんじゃないかな？バカなのになぜNo.1エージェントと言われているのか？というクライマックスで判明する謎にも繋がるし、民間人の記憶を消した時にやるデタラメ状況説明の時にマッチョギャグを入れられるという利点もあったのに。そんなHをたしなめたり、ツッコミ入れるMなんて面白そうじゃないですか？
あと女性主人公になるといちいちポリコレを意識させないといけない風潮はなんかしっくりこない。『Ｘｰファイル』のモルスカや『BONES』のブレナンブースみたいにできないのかな？
エイリアンの登場も少なかった。敵キャラのエイリアン・ツインズは変身能力や物質を変形させて攻撃してきてカッコいい！演じていた双子の役者の演技もgood！けど活躍の場が少なくてとっても物足りない。ダンスだけではちょっと...フランクも予告では活躍しそうだったのに、本編では1シーンのみ...なかなか日常に潜むエイリアンたちも登場しなくて都市伝説の胡散臭さが感じられないのもシリーズの味を失っている要因のひとつ。ヨーロッパはエイリアンが少ないのか？
でもポーニーは可愛い。
ここまでくると『MIB』っていうのは1～3までの監督バニー・ソネンフェルドのセンスが凄かったんだなぁと感じた。新作を作るにしても古参のファンを納得させる。なおかつ新しいことにも挑戦しないと。
僕だったら、Kが引退してJがベテランエージェントになってるのがいいな。そして若手育成の為にHやMをスカウトして新たな師弟コンビを作る！というストーリーが面白かったかなーと妄想。過去にHはKに命を救われた事があり、MはKと出会ってMIBの存在を知る。そして力のJ、技のKの魂を受け継ぎH&Mのコンビが誕生する！とかだったらなおいい。でもウィル・スミスは『アラジン』があったからね。
一番残念だったのは、シリーズお馴染みの“スケールのデカいオチ”が無かったこと。そもそも胡散臭い都市伝説が元ネタの映画なので、この世界の仕組みもナンセンスだがあり得ないとはいえない仕組みだったという夢のあるオチが好きだったのだが今回は無かった...せめてMが探し求める宇宙の真理ぐらい教えて欲しかったな。
全体的にMIBだがコレじゃない感が強かった作品かな。エイリアンとの外交シーンが少なかったし、組織がリアルになりすぎて普通のスパイ組織みたいになってる。エイリアンたちのデザインも可愛すぎ？
いやいや、やはり大きな原因はJとKがいないことだろう。それだけウィルとジョーンズのコンビが僕らの中に染み込んでいて、“あのコンビじゃない”と脳のどこかで錯覚してしまっているのだ。やはり彼らは“2000年代の伝説のコンビ”なんだなぁと改めて実感した。今でもNYで軽いノリのエイリアンを取り締まっているのだろうか...？
あとな、
なにが吉本坂46だ。地球から出て行け。
ヘタクソな今田美桜の吹替えといい、ホント吹替えプロデューサーのやることは酷い。お前らがこの方法で金儲けが成功したことが一度としてあったか？それとも内容が面白くないから吹替えで遊んでもいいと思ってんのか？バグの言葉を借りるなら、お前らみたいに金だけ儲ければいいと思ってる奴らは全員まとめて地球上から即刻駆除だ！害虫どもめ！グゥルルシャァァァー！！！
