アレな人に拾われちゃったら落としたのが鍵でも財布でも結局は同じ末路。漠然と落とし物や忘れ物に気を付けるのではなく、「狂った人に拾われるかもしれない可能性」を頭に置いとけば絶対そういうドジは減るな、と思いました。学ぶべき教訓はバッチリ。「スマホを落とす」という身にありあまるリアリティとトンデモサスペンスの融合。なかなか手堅く仕上がっているのでは。展開やら真相やらが腑に落ちなくてもハナから落ちないつもりで観ていたので全然腹も立たなかったし。あくまでも娯楽映画。登場人物は皆怪しく、どう転んでもオチがつけられるよう立ち回っている。中でもバカリズムはにっこり笑うだけで映画の不穏さを底上げしてくれるありがたい存在だった。個人的に成田凌と千葉雄大の顔がものすごく似て見えてしまい検討違いの方向に推理が飛んだけどそれはそれでよし。なんにせよグジャーと泣く北川景子が可愛くてそれだけで充分お釣りがくる。あれだけの美貌を持ちながら本気の笑顔と泣き顔がチャーミングに崩壊する景子がわたしは愛おしい。絶妙にスマホを落としそうな顔をしている田中圭もベストキャスティングだと思った。
