Maki

オペレーション・フィナーレのMakiのレビュー・感想・評価

4.0
アドルフ・アイヒマンの追跡からアイヒマン裁判までを描いた映画。

アイヒマン裁判はあまりにも有名ですが(映画「スペシャリスト」がオススメ)、アイヒマンの軟禁生活については詳しくなかったので、こんなやりとりがなされていたのか...と興味深く鑑賞しました。

アドルフ・アイヒマン...名前を聞くだけで、あの白黒写真を見るだけでゾッとしますよね。
しかし、アルゼンチンに身を隠しているアイヒマンは、一見「普通のおじいさん」です。息子と一緒に電車を眺める微笑ましいシーンも印象深く描かれていました。

ひょっとすると、アイヒマンは悪魔でも何でもなく「普通の人」だったのかもしれません。現代人には到底信じがたいことですが、アイヒマン実験がそれを証明しています。

アイヒマン実験は、1963年、イェール大学のミルグラム教授が行った実験で、「権威者の指示にどれだけの人間が従ってしまうのか」を調べたもの。
被験者40名のうち26名が、上からの指示にそのまま従い、生身の人間に最大450ボルトの電気ショックを与えてしまうというショッキングな結果が出ています。
( 映画「アイヒマンの後継者」でも詳しく描かれています)(なお、電気ショックは実際は与えられておらず、実験協力者が演技をしているだけなのでご安心を...笑)

アイヒマンは裁判で「上からの指示に従っただけだ」と主張しますが、アイヒマン実験では現代人の過半数が上からの指示に従い続け人体に450ボルトの電流を流し続けるーー即ちアイヒマンになり得ることが実証されているのです。

私たちは、アイヒマンやナチスを"悪" だと決めつけて終わらせるのではなく、そこから自分で考え行動することの重要さを学ばなければならないと思います。
現代のアイヒマンにならないために!
Maki

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