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キングのaのレビュー・感想・評価

キング(2019年製作の映画)
3.0
シェイクスピア戯曲「ヘンリー4世」「ヘンリー5世」が原作。
シェイクスピアは授業でロミジュリと夏の夜の夢をさらった程度。
読んだことなくて、なかなかハードルが高いので、映画から見ようかと。
(でもちゃんと戯曲として読むべきだな、やっぱ)

今回もティモシーは最初の登場シーンから破壊的に美しい。
ティモシーのどの映画を見ても毎回思うことだけど、知ってるはずなのに、やはり圧倒させられる。

そして城内の光と陰。
中世ヨーロッパ、15世紀という時代は光と陰の時代だったんだなと思った。
王国の繁栄を願い生きることは一見光のようでありながら、繁栄を願うということは国同士の争いが避けられない陰。
色々な思惑があり、欲望や野望があり、王の重責を感じるヘンリー5世。

父であるヘンリー4世が亡くなり、一度は後継者から外れたハルがヘンリー5世としてフランス征服に乗り出す。
実際はしたくなかった戦争に乗り出し、イングランドに勝利をもたらすヘンリー5世は国民にとって、強い王で頼もしいだろう。
この時代、イングランド内の諸侯が群雄割拠し内戦が無くならなかったことを考えれば、強い王はある意味で抑止力になる事実。
でも、この戦争に意味があったのか、誰の思惑で始まったのかということをいざ考え始めると、様々につじつまの合わないことばかり。
ハルがキャサリンに最後に言った言葉が全てだと思う。
王は孤独である、王に友人はいない。

こういう戦いが本当に人類史であったのか、起きていたのかと毎回思う。
人類の歴史って本当に戦いの歴史ですよね。
すごいな、よくみんな生きてきたなぁ。
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