かに

ビューティフル・ボーイのかにのレビュー・感想・評価

ビューティフル・ボーイ(2018年製作の映画)
3.5
更生したかと思えば戻りまた更生して戻り…見てるわたしたちまでも、薬物依存からの脱出の過程を追体験しているようでとにかく辛い。きっかけもほんの少しの興味だったことが、ドラッグの恐ろしさを際立たせているなあ。怖い。

この話がノンフィクションであること=ニックの「再生の記録」は現在進行形の話であること。そしてあのラストシーン…。
ダメ!ゼッタイ!って100回言うより、これ1回みんな見ればいいのでは…?というくらい、この作品が伝えたいことは多くの人に伝わると思った。
主役であるお父さんがただ必死に息子を支えるだけではなくて、奥さんと揉めたり一度諦めかけたり、昔の面影のない息子を受け入れられなかったり、それでも信じきったり…すごく人間味のある人。
そんなこれでもかというほどの愛情たっぷりなのにリアリティのある父親役のスティーブ・カレル、そして文字通り美しいティモシー・シャラメの最高のお芝居。ドラッグについてが主軸だけれど、この二人だからこそ単なる啓蒙的な作品で終わっていない気がする。



(キャッチコピーや、ポスター、シャラメ最新作!推しという数々の先入観のおかげで見てる時に(ああこういう感じなのね、ほう…)となってしまったのが残念、ゼロの状態で見たかったな〜。)
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