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ビューティフル・ボーイのbluumのレビュー・感想・評価

ビューティフル・ボーイ(2018年製作の映画)
3.4
スプリンクラーで兄妹3人がはしゃいで、それを笑顔で見つめる父親のシーン。映像・演技・物語としてあそこが一番美しい場面だったなと思います。他にも素敵なシーンはあったのかもしれないけど、大半は地獄です。ただただ地獄。個人的には、砂糖をどれだけ入れても甘くならないコーヒーのような、後味に苦味しか残らない映画でした。

無償の愛を注げる存在って、やっぱり親しかいないんですよね。私も親に反抗的な態度を取ってしまうことがあるけれど、それで親が怒ったり絶望したりしても、最後にはいつも味方になってくれます。
子どもが思っている以上に、親にとって子どもは愛しい存在なんだなあと、自分も子どもを授かれるような歳になって強く思います。
自分に子どもができたら、どんな子でも「最愛の子」と思う自信がある。

そんな揺るがない愛情すら敵わないのが薬物ということで。家族の遣る瀬無さがひしひしと伝わってきて本当に辛い、悲しい物語でした。ティモシー・シャラメ君のラリってる演技がリアル過ぎて(実際に見たことないけど)、薬物使用してる人の不安になる挙動が体感できました...。
親の愛情を背に堕ちていく、亡くなっていく若者たちが今より少しでも減ることを願うばかりです。こんなに悲しいことはないよ。

...にしても、ティモシー・シャラメ君は本当に存在が思春期だなあ。もうそんな歳じゃないはずなのになあ、全くすごい演技力だと思います。

(初っ端の挿入曲いいなあと思ってたけど、Mogwaiだったんだね、また聴き漁ろうと思います。)
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