バルバワ

ビューティフル・ボーイのバルバワのレビュー・感想・評価

ビューティフル・ボーイ(2018年製作の映画)
3.9
※本作とは関係ない、いかに私が女性に対して免疫がないかという愚にもつかない話を書かせていただきます、どうかお許しください。

「バルバワ!『ビューティフル・ボーイ』観た?!観てほしい!…でもこの作品を一番観てほしいのは『クリード2 炎の宿敵』のドラゴの元嫁なんだけどさ!」

同僚の力強さしかない説得により今作を鑑賞しようと、決めました。

嫁も娘もいないから映画禁止法も凍結してるし、時間帯的に恐らく私のようなおじさんa.k.a.同志しかいないしで何の罪悪感もなくに行くと…

若ぇ女が多い…だと…?

近々でスタローン作品を2連続鑑賞で男しかいない映画館に慣れていた私は一瞬混乱しました。
どうやら、女性達の目当ては今作の主演の超絶イケメン俳優ティモシー・シャラメだったようです。
そんな女性達の心情を知ってか知らずか映画館側もチケットを切るスタッフにイケメンを配置する始末。
劇場内は女性がほとんどで、無論私の両隣…どころか、座った席の列が私以外女性という状態でした。

「一人映画とは、同じ映画を観ている人々とのデートである。」

というRHYMESTERの宇多丸師匠の名言でなぞるのであれば、私はこの女性達とデートしたことになります…嫁よ!すまん!

と、いらん罪悪感を感じたのはほんの一瞬で、いけてない学生時代を送った私には周りが女性だけという状況が非常に肩身が狭く「ティモシー・シャロメくんや劇場のイケメンスタッフに比べて、あのおっさんは( -д-)ペッ」と思われているかもしれない、という加害者ぶった被害妄想が湧いてきましてね…挙げ句は『大脱出2』や『バックトレース』の劇場に戻りたいとまで願ってしまいました。

さて長いくせに中身のない上司の説教のような文章はここまでにして、映画の感想を書きます。本当にお目汚ししてすみませんm(__)m

いやぁ…ドラゴの元嫁に観せてやりたい!

あらすじは薬物中毒に苦しむ青年ニックを父のデイヴッドと周りの大人がなんとか救おうとする…的な感じです。


まず、作品は薬物中毒の根深さにフォーカスを当ててます。序盤にニックが入所する施設(また、この施設が本当に無責任でムカつく)は「まぁ、25~80%くらいの確率で治りますよ」みたいなことを言うのですが、しかし息子を心配してデイヴッドが医師に相談すると薬物から抜け出せる可能性は一桁だという話を聞かされ愕然するシーンもありました。薬物治療の施設もピンきりだということも初めて知りました(月に400万を取る施設も…ヒドイ!(💢`□´)/)。

薬物に手を出した人が悪い!薬物をする人は悪人!
…薬物中毒の人に対するイメージはこんな感じだと思いますし、私自身例に漏れず同じようなイメージを持っていました。

しかし今作の主人公、薬物中毒に苦しむニックは頭が良く、家族思いの優しい青年です。腹違いの弟や妹を可愛がる姿なんて好感が持て、私には彼が悪人には見えませんでした。

ニックは何度も何度も薬物から抜け出そうとするのですが、どうしても離れられません。彼は幼少に両親の離婚を経験します。個人的にこの出来事が彼を薬物に走らせる原因のように思えました。要は、本当の両親がいなくて寂しかったのです。
そして、父親のデイヴッドもそんな彼をどうしても遠ざけられません。

語弊を恐れずに言うと家族は薬物以上に依存しやすいのかもしれません。
今作はそれがプラスに動いた作品のように思います。終盤、薬物以上に彼が望んだものが手に入ったからこそ、やっと一歩前進できたのではないでしょうか。

まあ、結構過去と現在が交差するのでちょっと観づらく感じました(それでも髪の毛の長さで工夫はされてますが)。特に大学再入学の件はマジで混乱しました。

ただ、若い女性を虜するティモシー・シャラメの魅力浸れましたよ。そして、私はデイヴットのような子どものことを諦めない父親になりたいです!
バルバワ

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