いま、シャラメめちゃくちゃかっこいいよね。タイタニックのときのディカプリオが人類史上いちばんかっこいいと思ってるんだけど、それと同じくらい今のシャラメに夢中だよ!
そんな尊いシャラメを拝むために2時間見る映画。
映画の内容としては、とっても仲良しの父と息子。素直で可愛くて頭も良くてスポーツ万能。そして、親友みたいに仲良し親子だったのに、ドラッグに手を出したばっかりに再生不能になる、というもの。
この、あぁ、幸せな家庭で育ったんだなぁ、という幼少期のエピソードがちょいちょい挟まれていてドラッグに溺れる息子との対比になってるんだけど、それがかなりしつこくていまいち盛り上がらない。
ハグするときの〝everything〟も感動ポイントのはずなのにそれまでにだいたい予想できるというか、ただただドラッグに手を出すまでは幸せな幼少期だったんです…!ていうのをこれでもかというくらいしつこく繰り返して見せてきてるせいもあって食傷気味。
世界中の言葉を全て集めても
この愛を伝えきれない
それらの言葉では
この想いを表せない
おまえを思う気持ちこそすべて
すべてを超えて愛してる
いいんだけどね。とてもいい言葉なんだけど。
とにかくお父さんの愛が重たいんだよね。
でもまぁ、お父さんが真面目すぎて、住んでる場所も田舎すぎて、息がつまる生活だったんじゃないかと思う。
パパはクリスタルメスがどれほど恐ろしい薬物なのか、どうすれば克服できるのかを調べる前に、なぜそうなったのかを知ろうとしなければいけないんじゃないかと思ったのだけど(そしてその理由に繋がりそうなことを鑑賞中ずっと探していたのだけど)結局のところ、この映画は薬がすぐ手に入る環境、一度手を出してしまうともはや自分の意思とは関係なく渇望してしまうものだということをみせたかっただけなのかもしれない。楽しもうと思っただけ、自分はコントロールできる。その慢心。
あんなに幸せだった家族が、素晴らしかった息子が、もう元には戻れなくなる。
手を出す前に考えて欲しい、という映画なのかもしれない。
でもやっぱり、原因を考えられずにはいられない。完璧な父親の元でその期待に応えながら生きて来た息子。いい息子であり、いい兄であり続けること。継母ともうまく関係を築いていたけれど、この家で疎外感を感じることがあったのではないかと思う。実母ではなく、なぜ父親と暮らしていたのか。薬に手を出してしまったのはいつも、父と会ったあとだったんじゃないか。
息子のために、いつでも、どこにでも駆けつける父親。
重い。眼差しがとにかく重い。
わたしには父親と息子の関係ってわからないけれど、息子にとって父親って、越えなきゃいけないもの、みたいなところがあるような気がする。父親が偉大すぎると、息子は萎縮しちゃう気もするよ。反抗期に反抗できず、いい子でいすぎると歪みが出てくるのかもしれない。everything、なんていいながらハグするの小学生まででしょ
薬を打ちまくるシャラメの腕が、とにかく痛々しかった。もう一度見たい内容ではないけれど、シャラメが見たいからたぶんまた見ると思う。あと音楽も良かった。シガーロスが使われる映画は無条件で好きになっちゃう。