フライ

The Witch/魔女のフライのレビュー・感想・評価

The Witch/魔女(2018年製作の映画)
4.3
以前鑑賞し、序盤の単調さに途中で鑑賞するのを止めいていた本作だが、改めて全て鑑賞し、いい意味で後悔させられた!
完全に自分のツボにハマるミステリーアクションスリラー映画に、変な嫉妬心まで。

異常な研究をする特殊な施設から逃げ出した血まみれの8歳の少女は、酪農を営む優しい ク・夫婦に見つけられ助けられるが、記憶を失っていた。
女の子は、ク・ジャユンと名付けられ、ク・夫婦の子供として育てられ高校生になっていたが、牛の価格暴落や、養父母の病気により家庭は困窮していたが、それでも幸せに暮らしていた。そんな時、親友のミョンヒは、何をやらせても優秀なジャユンの容姿に目を付け、家庭の足しになると5億ウォンの賞金が出るスター発掘番組への出演を提案し、出場させる事に。ジャユンは見事予選を通過するが、それにより不審な人物の接触や、自身の体調不良なども重なり苦しむ事になるのだが。

冒頭の凄惨なシーンとは裏腹に、中盤までの呑気な女子高生の展開で、作品の面白さを見抜けなかった自分に少し嫌気がさした。
元々、圧倒的で理不尽な悪と対峙する、力を隠したヒーローや、意外性のあるキャラ設定作品が好きなのだが、正にそんな自分の中にある気質にハマるストーリーに、中盤以降全く目が離せなかった。
ジャユンの垢抜けない雰囲気や、ミョンヒとの呑気なやり取りが、終盤の思わず背筋に悪寒が走る程のジャユンの計画性と狂気に、作品としての面白さを感じさせてくれたし、韓国映画特有の凄惨なシーンや、この手の作品特有の優しさを感じる内容に素晴らしさも。
当然ジャユンを演じたキム・ダミの演技の、序盤と終盤の緩急の素晴らしさがあったからこそだが、今後の出演作品も見たくなる不思議な魅力もあった。
途中で何箇所かツッコミを入れたくなったが、終盤で全て覆され、二度見したくなる面白さもありとても楽しめた。
ラストの展開も、次作への伏線の張り方の妙に、余計そそられるものが。

漫画やアニメにも有りそうなストーリーだが、先に実写として見せられてしまった様な内容に、これまでの作品とは違う意味で韓国映画恐るべし!と感じた作品だった。
次作も進んでいる様なのでとても楽しみに!
フライ

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