シネフィル母ちゃん

愛がなんだのシネフィル母ちゃんのレビュー・感想・評価

愛がなんだ(2018年製作の映画)
5.0
不毛な片思いをしてる(してた)全国民に告ぐぅぅぅうううううーーーーっっ!!!!!!
心してかかれぇぇええええーーーーーっっ!!!!!
メンタル殺られんぞーーー!!!!!
えぐられまくりの血反吐を吐きまくりになるぞーーーーー!!!
「相手に振り回されっぱなし片思いあるある」がいっぱい詰まってて、そりゃもう、、、もう、、、、切なくて、、、私は涙が止まらなくてメンタルは三途の川を渡りかけたよ。。

まず、冒頭のシーン。
主人公の、とある嘘と行動に「それ、、私もやったことある...」って、哀しみの鳥肌。古傷をえぐられた気分。
友達よりも仕事よりも自分の時間よりも、なによりも好きな人が最優先!
今思うと本当に痛かった(でも一生懸命だった!)過去の恋愛を思い出して、息が詰まって酸欠寸前だった...。
周りにその人のことを否定されようが、相手が自分を振り回してるのわかってようが、好きなんだもんね。嫌なことが多いけど諦められないよね。見ていて本当に切なくて苦しかった。

お風呂でシャンプー中だろうが、彼から着信あったら髪が泡立ちのままでも裸姿で電話に出る主人公のテルコ。
なのに、電話を待ちわびてることは隠して冷静な反応をするテルコ。
あぁ、愛しい...愛しいよテルコ。。
ただ、「テルコ...それはあかん、、あかんでぇ......重い女街道まっしぐらな行動してるぜぇ...」って止めたくなるシーンもある。
そこもまた切なくて愛しい。
そして、それ以上に痛々しい。

テルコが大好きなマモちゃんもこれまたどうも憎めない男でずるい。
あんな弱い心見せられたら離れたくても離れられないって。。


テルコの周りの人たちもそれぞれ色々な事情を抱えてて全て愛おしかったなぁ。

恋愛ムービーだけど、キラキラ感やワクワク感はなし。
今泉監督ならではのゆるーい雰囲気に、そこで繰り広げられる切なさ5億点の物語。
テルコの言動ひとつひとつにメモ取りたくなる。
テルコの親友に片思いしてる中原っちも素晴らしかった。。
中原っちと付き合ったら幸せなんだろうなぁ、、、。
だからこそ中原っちの惨めさが泣ける。



ふだん恋愛映画を観ない人達にもぜひ観て欲しい。
私的に、南瓜とマヨネーズ以上に共感しかなかった。
群集劇なので、テルコにハマらない人でも他の登場人物の誰かには共感すると思う。
男性の中にはマモちゃんに共感する人も多いだろう。



・恋をすると、その人しかいない世界になってしまう
・好きな人から急に呼び出しがかかっても大丈夫な状態にしている
・好きな人からの電話に気づくように寝てる時は枕付近にスマホをセット
・好きな人の顔色ばかり伺ってしまう
・好きな人を喜ばせるためなら自分の気持ちなんてどうでもいい
・好きな人の本音が聞きたいけど聞くのがこわい
・都合がいい女ってのわかってるけど、なんだかんだ必死にもがいてしまう。

⬆️どれかひとつでも当てはまる人がいたら、血反吐を吐いても大丈夫なようにビニール袋を用意して映画館へ是非行ってほしい。


#ここからは劇中でテルコが話すセリフに触れます
#ここからは劇中でテルコが話すセリフのネタバレ
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上映後のQ&Aでお客さんが
「テルコがマモちゃんが好きすぎて"マモちゃんになりたい"ってセリフを友人に言ってたけど、僕には理解出来ないし少しこわかった」
って言っていて監督も同感してたけど、その言葉を過去に言ったことある自分としては頭を抱えたくなった。。
近くにいた可愛い女の子コンビも「女の私もその言葉はわからないよー」「ほんとだよねー」って会話をしてたけど、その会話を聞いてなぜか落ち込んでしまった。
テルコのセリフ
「私はマモちゃんになりたい!それか、お母さんでも妹でも従兄弟でもいいからなりたい」
わかるうううううううううう!!!!
好きな人のことが好きすぎてその人になりたくて仕方なかった経験あるぅううううう!!!!!!!
でも、こういうこと思っちゃう子はモテなくて、こういうことを1mmも思わない子がモテるんだよなぁ、、(遠い目)


愛がなんだ、恋がなんだ、幸せがなんだ
そんなことを考えてしまう作品だった。
本当に本当に素晴らしかった。