あチャラかレインズ

愛がなんだのあチャラかレインズのレビュー・感想・評価

愛がなんだ(2018年製作の映画)
4.1
泣きました、岸井ゆきのがひたすら献身するところのひたむきさに。恋人の成田凌にすがっているため、シャワー中であれ電話に出るし、家にいようとわざわざ寄ったりする。ぶ神経極まりないこの男はまったく気づかずに飯を作らせたりしたあげく、だって酒飲むとぐずるじゃんとか、象を見ているうちに泣きだした岸井をまったく省みないし、途中化粧室に行こうとまったく気づかない。二人の視線を合わないように撮ってたことからもよく伝わった。
冒頭の岸井が電話しているところの顔アップから引いていって実は会社ではない、と分からせたり、象の側面を映してから引いていって岸井が飼育員になったのがわかるのはなかなか巧いと思う。また、長回しで喋ってる中、タクシーが一回通り過ぎて、その後にまたタクシーがきてそのまま行ってしまうというのを長回しで撮ってて驚いた、これはまさしくショットだ
二人で歯を磨いたり寝るところを横から切り取るのは晩春、別荘でああでもないこうでもない話すのはロメール(この二階の吹き抜けから成田凌の顔を見るのはよかった)、公園のベンチで飲み屋でバーでコンビニの前で別荘のベンチで喋るところの感じはちょっぴり成瀬かな。もう一人の女の家に行って怒鳴りあって、縁側に身を乗り出して喋んのもそんな感じがする。バーで喋ってるところが内側からの切り返しばっかで鏡が貼られてるのも心地いい。
岸井ゆきのが最後の方で鏡を見つめるところを見たとき、絶対に口紅を塗る瞬間があるな、と思ったら、本当にあって、その時のメーキャップといい、照明といいすべてが良かった。
あと、真夜中、女がカメラマンの男と寝ていると電話が来て起きて、窓際に行き、窓を開け、電話に出ると、カメラマンの男が起きてシャッター切ると、女が振り返って(この振り返ってというのがミソ)財布を投げ渡す。これはもうほとんどゴダールの小さな兵隊だろう。